
寄付総額
目標金額 4,500,000円
- 寄付者
- 344人
- 募集終了日
- 2019年4月26日
磁界共鳴方式によるワイヤレス給電技術について
皆さんこんにちは。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発部門です。
早速に皆様から温かいコメントを頂きありがとうございます。普段研究の現場にいると、皆さんと交流する機会が少なく、本当に自分たちの研究が社会に役立つものにできているか不安を感じることもありますが、このような場を通じて皆さんから応援メッセージを頂けると大変励みになりますし、改めて身を引き締めて研究開発にいそしみたいと感じております。
引き続き今回の取り組みが成功するよう応援頂けますと幸いです。
さて、本日は今回のプロジェクトの対象である磁界共鳴を利用したワイヤレス給電技術について、どのような技術なのか、その技術が確立するとどのようなメリットがあるのか、についてご紹介したいと思います。
【人工衛星のワイヤレス化の意義】
人工衛星等の宇宙機は、衛星毎にケーブルやコネクタを設計している為、開発コストがかさみ、打上げや宇宙の過酷な環境に長期間耐えうる高い信頼性も欠かせません。
この課題を同時に解決する有力な技術の1つがワイヤレス化技術です。ワイヤレスでの通信や給電は身のまわりの電子機器や電気製品で普及しつつありますが、これを宇宙機や衛星試験に応用することで画期的な機能向上が実現できることになります。
例えば、人工衛星内部をワイヤレス化すれば、衛星ごとに一品ものとして設計していた多数の配線ケーブルやコネクタを全て省略でき、また何週間もかかる衛星試験の準備も数日で可能となるなど、衛星の開発コスト低減や短期開発に大きな寄与が期待できます。
将来的に、ワイヤレスやランデブードッキング等の技術を組み合わせて、軌道上でのコンポーネントを交換といった宇宙空間における新たな事業やサービスも登場するかもしれません。

©JAXA
【研究開発部門が取り組むワイヤレス化研究】
現在研究開発部門は大きく3つのテーマに取り組んでいます。
1つは熱センサなど小型センサへの、電磁波による微小電力の給電です。センサをマイクロワットで作動させられれば、たくさんのセンサに電磁波を照射することで同時に給電できるようになります。
2つめは衛星の装置間のワイヤレスデータ伝送で、これには既存の近距離無線通信技術を応用します。衛星の開発期間は数年におよぶので、日進月歩しているこれらの通信技術を用いれば、独自技術を開発して搭載するより新しくて優れた技術が活用できることが期待されます。
そして3つめが今回のプロジェクトの対象である磁界共鳴方式によるワイヤレス給電で、人工衛星のコンポーネントや探査機等へのワイヤレス給電を目指しています。
【磁界共鳴方式によるワイヤレス給電技術について】
ワイヤレス給電には大きく①放射型と②非放射型の電力伝送があります。前者は大電力を非常に遠くまで指向性をもって伝送できることが特徴ですので、宇宙太陽光発電システム(SSPS)等のように大電力を遠く離れた地点に狙いを定めて伝送する用途に向いています。
今回開発を行うのは、非放射型の中でも磁界共鳴を利用したワイヤレス電力伝送になります。この技術は、歯ブラシ等で利用されている電磁誘導に共振回路を追加し、伝送効率の改善及び位置ずれ時の効率低下に強くしたものです。
ワイヤレス伝送部分が比較的小型のコイルですみ、高効率で電力伝送可能なことから人工衛星内部やInt-ball等の小型機器への電力伝送に向いています。
今後技術開発を行う上でのポイントは効率の向上です。ワイヤレス電力伝送時の効率低下は熱になり、宇宙機では排熱手法が限られるので大きな問題となります。また従来の電子機器とは逆に、電磁界を積極的に飛ばすシステムとなるので、飛ばした電磁界が周辺の電子機器に与える影響を評価する必要があります。
そのため、まずは電力規模の小さなInt-ballで実証を行い、そこで得た知見等を踏まえたうえで人工衛星や探査機等にも応用していきたいと考えています。
©JAXA
JAXAHPより引用
http://www.kenkai.jaxa.jp/research/innovation/wireless.html
【今後の発展】
この技術は多方面に応用が可能となります。例えば月面で自律的に探査を行うローバー(小型探査機)にワイヤレス給電を搭載すれば、探査機本体が掃除ロボットのように給電ステーションに戻ってきてワイヤレス給電を行うことで、太陽電池の使えない夜間でも活動できる可能性があります。また、ISSなどの中で宇宙飛行士が使うノートパソコンなども、作業中に充電できるようになると、作業性が向上することが期待されます。
宇宙の環境はさまざまな制約がありますが、それを乗り越えるために各分野の先端技術を統合して他にない新技術を創造することこそが研究開発部門が取り組む研究の醍醐味でもあると考えておりますので、今後も先端的な研究に取り組んでいきたいと思います。
【参考】
http://www.kenkai.jaxa.jp/research/innovation/wireless.html
http://fanfun.jaxa.jp/c/media/file/media_jaxas_jaxas064.pdf#page=10
ギフト
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- 34
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- 予定数終了
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