とりあえず泊まれる場所

ある日のできごとです。

「今、窓口にお金も住むところもないという人が来てまして。ひとのまさんでお世話になれませんか？」と市役所から電話がかかってきます。

このような電話はよくかかってくるので、いつものことだろうと迎え入れます。

市役所の人に連れられ、本人と話をしてみると福井県から高岡に流れ着いたとのこと。

「福井で家も金も無くてどうしようもなくて・・・」と役所で相談すると、「こちらではどうすることもできないので電車代渡すので横の市で相談してください。」と言われ、次の市で「家も金もどうしようもなくて・・・」と言うとまた同じように「ここでは無理なんで。電車代渡すんで横の市に」と言われ、それを何度か繰り返して福井から石川を通過して高岡市にやってきたというのです。

ようやく高岡で止まることができたのは、「とりあえず泊れる場所」があったからでした。

その後、その方はひとのまでしばらく泊まり、ご飯も食べ、その間に仕事と住まいを見つけて出ていかれました。

とりあえず泊まれる場所。大事だと思うのです。