気候変動の影響を受けているタンチョウ

2010年、国際タンチョウネットワークのメンバーで一緒に活動しているゴロシコ博士に、タンチョウ生息地の西端になるアムール川上流のアルグン川を案内していただきました。アルグン川は中露国境になっていて、同博士が台地上から観察している川沿いの湿地は、水がすっかり少なくなっています。以前はタンチョウが繁殖していましたが、今回も含めて最近はまったく見られていないとのことです。さらに上流にあるトレイ湖も同様で、当時対岸の見えないほどの大きな湖でしたが、最近の博士のレポートではすっかり干上がってしまっているとのことです。北海道でも汽水湖の風蓮湖などで湖面が上昇して営巣地の一部が水没してしまった例がありますが、地盤沈下も同時に報告されているので、大陸のように気候変動の影響とばかりとは言えないかもしれません。