寄付総額
目標金額 3,000,000円
- 寄付者
- 381人
- 募集終了日
- 2024年6月16日
【今日は勉強の日】 新生児仮死・新生児蘇生法ってなに?
今日は新生児仮死と新生児蘇生法についてご説明したいと思います。
5月中旬よりあおぞらはカンボジア現地に入り、活動を開始しておりますが、第二陣、5月26日からの渡航で柳と嶋岡が行う予定の新生児蘇生法のトレーニングがなぜ必要なのか、その背景についてお話ししたいと思います。
世界では230万人以上の赤ちゃんが生後1ヶ月以内に亡くなっています。そのうちの100万人は生まれたその日に亡くなってしまいます。生後すぐに亡くなってしまう赤ちゃんが多い、ということは、逆に言うと、生後すぐの生命の危機を乗り越えられたならもしかしたら生きるチャンスを得られる、と言うことでもあります。
最も多い主な原因は(予定日よりかなり早く産まれてしまう)「早産」と(標準よりも小さく極端に軽い状態で産まれてしまう)「低出生体重」であることです。早産児の場合は臓器の未熟性などが問題になります。低出生体重児は生まれたあとの環境に適応することが難しい場合があります。この二つは新生児死亡全体の約30%を占めると言われています。妊婦健診や地域での栄養指導、妊娠に関する啓発活動などが具体的な医療活動となるかと思いますが、貧困や教育の問題、国によっては若年妊娠などの問題もその背景にあり、地域やその国の文化を変えていく長い関わりが必要となる場合もあります。

次に多い原因は新生児仮死です。新生児死亡の約25%を占めると言われています。新生児仮死とは赤ちゃんが生まれたときに息をしていない状態を言います。お母さんのお腹の中で臍の緒を介して栄養や酸素をもらっていた赤ちゃんは、出生と同時に自分で呼吸をして酸素を自分で体内に取り込まなくてはいけません。しかし、実は正期産児(予定日付近の一般的な出生)、早産児、低出生体重児にかかわらず、生まれた赤ちゃんの10-13%くらいは生まれたときに呼吸をしないと言われています。100人生まれたらそのうちの10人、もしかしたらもうちょっと多くは息をしていないということです。思いの外、高い確率で新生児仮死が生じます。息ができない状態をそのままにしておくと、だと赤ちゃんの体内の酸素量が低下し、さまざまな臓器に影響を及ぼします。そして新生児仮死のそのままの状態が続けば赤ちゃんは亡くなってしまいます。
そんな危ない状況を放っておくことはできません。この状態から赤ちゃんを救うのが新生児蘇生法です。皮膚を刺激して(体を拭いて)呼吸を促したり、口や喉に詰まっている羊水を吸引したりします。そうこうしているうちに赤ちゃんは(あ、ぼく、呼吸してない!)と気づいて泣きだします。助産師さんが「おめでとうございますー」と言いながら赤ちゃんを拭いたりしているうちに泣き出すシーン。想像できますでしょうか?ここまでやると生まれてすぐに泣かなかった10人のうちの9人が無事に呼吸を始めます。
しかしそれでも泣き出さない赤ちゃんがいます。100人のうちの10人のうちの1人、すなわち1%の赤ちゃんは、より進んだ蘇生手技が必要となります。その手技を人工呼吸といいます。人工呼吸をするためには蘇生用バッグ(写真)を使用して肺に空気を送り込み、呼吸を助けます。この手技を適切に行うだけで新生児仮死の90%以上を蘇生できると言われています。

人工呼吸は非常に簡単な手技です。練習すれば小学生でもできます。(本当です。)赤ちゃんの呼吸がない場合は速やかに(生後1分以内に)人工呼吸を行うことが国際的なガイドラインで推奨されています。日本においてはガイドラインに基づく新生児蘇生法(NCPR®️)が全国的に標準プログラムとして展開されていますし、世界の各国でこのような対応が標準的に行われています。新生児仮死に遭遇する頻度はかなり多いので、先進国、途上国に関わらず、分娩に立ち会う全ての医療者が身につけるべき大切な技術です。新生児蘇生法そのものはとてもシンプルで効果が高い医療技術です。さらに人工呼吸用の蘇生バッグのバッグマスクはそれほど高価なものではありません。対費用効果の面からも新生児蘇生法の普及は途上国の赤ちゃんの命を救うために役立つと考えます。

人工呼吸:赤ちゃんの口と鼻をマスクで覆い密着させ、蘇生バッグを握り空気を肺に送り込みます。
しかしながら途上国の僻地ではこの新生児蘇生法が定着していない現状があります。
1)新生児蘇生のトレーニングは「受けたことがある」けれど、その後、定期的に蘇生トレーニングを受けてはいない。
2)トレーニングを受けたいと思っていても、人材不足で、遠くの街に講習を受けにいくために保健センターを留守にするわけにもいかない。
3)そのためには働いているその場(地域の保健センター)で訓練をする必要があるが、トレーニングに必要なシミュレーション用の資機材(練習用人形、マスクバッグなど)はない。
4)もしかしたら練習用ではなく、現場に実際に使用する蘇生用の物品が足りない場合や壊れたまま放置されている場合もある。
現地のスタッフは一生懸命です。しかし、赤ちゃんを救いたい、という気持ちはあっても知識、技術、道具がなければ赤ちゃんを救うことはできません。

あおぞらは途上国の医療者のために新生児蘇生法講習を行なってきました。蘇生に必要な物品も現地へ提供し、整備を行ってきました。カンボジアのみならず、ラオス、モンゴル、タンザニアなどで実践と経験を積み重ねています。
私たちが行う新生児蘇生法講習は座学のみではなく、人形と実際の機材を使用したシミュレーショントレーニングです。実際の新生児仮死を模したストーリーの中で医療者は実際に手と頭を動かしてその能力を身につけていきます。
今回、現地で企画、講習を行うのはあおぞらの柳貴英(↑)と嶋岡鋼(↓)
柳は新生児医療の臨床と新生児蘇生法の教育に、
嶋岡は国内外の新生児蘇生法の普及と途上国におけるトレーニングの構築に長く携わってきました。
この2人の相乗効果はいかほどのものでしょうか。
私たち自身もどうなるか想像がつかないのですが、きっと素晴らしい講習になるのではないか、と妄想しています。(笑)今から5月下旬の渡航を思い、ワクワクしているところです。今回は現地からのストリーミング、配信などにも挑戦していきます。
<余談>
息子が6歳くらいの頃に、人工呼吸を練習させてみたらしっかりとできるようになりました、、本当なんです。それくらい簡単な手技なんです。(実際の赤ちゃんにできるかどうかは別として、です。)
ギフト
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