音楽の世界を広げるテクノロジー

「ひろめ隊」副代表の私めはFacebookのFrance Musiqueをフォローしています。数日前、障がいを持つ人々と音楽の新たな関係がいくつか紹介されていました。

昨夏、日フィルがメディア・アーティストの落合陽一氏とコラボし、音を振動や光で表現する聴覚補助システムを用いた、聴覚障害を持つ人々でも楽しめる「耳で聴かない音楽会」が開催されたことは記憶に新しいことと思います。

障がいを持つ人々がテクノロジーによって新たな音楽の楽しみを経験できる時代になりました。私たち「ひろめ隊」はそのようなテクノロジーは持ち合わせていませんが、今まで音楽にアクセスできなかった人々にも目をむけ、楽しみを発見してもらえたらうれしいなと思っています。

そんなことを考えながら、２つほど海外の新たな動きをご紹介します。

視覚障害のあるプロフェッショナルな音楽家は少なくありません。しかしながら、彼らの活動はほぼ「ソリスト」としてのもので、オーケストラの一員にはなれませんでした。

韓国人打楽器奏者Kyungho Jeonさんはオーケストラで演奏したいという夢を持っていましたが、指揮が見えないため今まで実現することはありませんでした。

それが「魔法の指揮棒」の開発で実現したのです。奏者の身体につけられたセンサーが指揮者の動きを振動に変換して伝えることで、指揮を「感じる」ことができるようになりました。彼はこの経験を通じて、自分の音楽が広がったと話しています。↓は英語字幕付き映像です。

https://www.bbc.com/news/av/stories-46994209/magic-baton-helps-blind-musicians-feel-conductor

アイルランド王立アカデミーは、障がいを持つ若者たちのオーケストラOpen Youth Orchestra of Ireland（OYOI）を２月上旬に立ち上げました。文化大臣Josepha Madigan氏の支援を受けたプロジェクトで、９月に初のコンサートを開催する予定です。
即興や作曲に関わるアーティストと協働し、身体及び知的障がいを持つ各人が即興、作曲、演奏できるよう伝統的な楽器や新しい技術を用いる選択をします。また、同様に指揮者のためのメソードもUlste大学のDenise Whiteによって開発されました。
「障がいを持つ人々が集団で音楽にアクセスする機会は限られている。Le Chéileプロジェクトはこの不平等を是正するための決定的な第一歩である」（文化大臣）
「社会は異なる芸術的表現の価値を知り、音楽による包摂が人の幸福に与えるポジティフで永続的な効果を認識しなければならない」（プロジェクトの開発者Brendan Breslin氏）

https://jrnl.ie/4479890