運営メンバーより皆様へ#7：こびナビ 事務局長　黑川 友哉

医師：耳鼻咽喉科、薬事規制
千葉大学医学部卒業後、国立病院機構 千葉医療センター、千葉大学医学部附属病院、東京都立駒込病院を経て、独立行政法人　医薬品医療機器総合機構（PMDA）　新薬審査第5部　審査専門員。その後、千葉大学大学院　医学薬学府　博士課程を経て、現在　千葉大学医学部附属病院　臨床試験部　助教及びPMDA 定期専門委員

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新型コロナウイルスが世界にもたらしたもの

コロナ禍といわれてもう一年以上が過ぎてしまいました。

この間に2度の緊急事態宣言が行われ、感染対策の徹底がすすめられる中、クラスター感染を引き起こした「当事者」に対する厳しい言葉が飛び交いました。

新型コロナウイルス感染症は、世界中で多くの方の命を奪っただけでなく、さらにその対策への批判、至らなさへの批判を引き起こしました。

そんな互いに傷つけあう人類を横目に、新型コロナウイルスは世界中で第2波、第3波を引き起こしました。

人の息づかい、温もりに支えられていた医療現場は疲弊し、患者は家族との面会を謝絶され、経営者は従業員を守るために歯を食いしばってこの一年を過ごしてきたのではないでしょうか。

 

新型コロナワクチンという武器

これまでは他の病気に使用されてきた医薬品が、新型コロナウイルスの治療への応用を試みられ、いくつかが実際の現場でも使用されました。一方で、これらの医薬品が世界を救うと信じた医師は一人もおりませんでした。

先の見えない戦いの中、人類の叡智の結集により奇跡のような速さで新型コロナワクチンが開発されました。

驚異的な開発の速さ、そしてmRNAという物質のはかなさから、このワクチンに懐疑的な目が向けられました。

しかし、95％という高い発症予防効果と圧倒的な安全性が示された治験結果に続き、イスラエルからの実社会における有効性の報告により、その有用性は揺るぎないものになりました。

 

いま、私たちが立ち向かうべきもの

そんな中、残されている大きな課題があります。

ワクチンの供給不足、そしてワクチン接種へのためらいです。

これに再び手を取り合って立ち向かう動きがみられています。

ワクチンの供給不足を補うため、ある製薬企業は普段競合しあうライバル企業のワクチン製造に協力しています。

WHOは各国と協力して途上国へのワクチン供給に奔走しています。

一方、国内では、ワクチンへの歓迎の声が上がる中で、この「未知の」ワクチンに対する不安で生きづらさを感じている人もいるかもしれません。

 

人は弱く、未知は不安を呼び、不安は互いに刺激しあうことで増幅し分断を生みます。

 

人類の叡智により開発されたワクチンを目の前にして、いま私たちはまた、未知の恐怖、無知からくる分断に立ち向かう必要があります。

 

私たちこびナビメンバーは誰一人完璧ではありません。

私たちは互いの強みを尊敬し、弱点を補いながら、すべての人に届くメッセージを送り続けたいと考えています。

そしてもし、私たちの活動に共感していただければ、私たちのメッセージを、周りの大切な方に伝えていただきたいと思います。

人の息づかい、人の温もりを感じられる世界を再び取り戻しましょう。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

これからもご支援のほど、どうかよろしくお願いいたします！

 

こびナビ 事務局長　黑川 友哉