
支援総額
目標金額 2,000,000円
- 支援者
- 274人
- 募集終了日
- 2022年6月13日
論告求刑と最終弁論 — そして、判決へ《前編》
先日、5月22日に静岡地方裁判所にて、袴田さんの再審公判が結審しました。
新聞各紙が翌朝の一面で伝えていましたので、皆さまは既にご存知のことと思いますが、検察が袴田さんに対する「死刑」を求刑しました。
論告求刑当日は、私も法廷内で傍聴しておりました。
世紀の裁判の締めくくりに相応しい、検察対弁護団の言葉の応酬は、一瞬たりとも目の離せない緊迫感に包まれていました。
前編・後編の2回にわたり、ご報告します。
<前編>
■ 裁判所前には多くの支援
裁判所隣の駿府城公園が鮮やかな緑に包まれ、抜けるような青空に爽やかな風を感じる朝。
静岡地裁の前には、最後の公判を見届けようと、昨年10月の初公判の時に並ぶほど、多くの支援者と報道陣が集まっていました。
午前10時過ぎ、支援者の声援と拍手に見送られ、弁護団と共に袴田さんの姉の秀子さんが裁判所に入りました。この日の秀子さんは、いつになくにこやかな表情で、沿道の支援者に向かって何度も元気に手を振って応えていました。

▲静岡地裁前にて(2024年5月22日 午前10時過ぎ)

▲入廷する袴田秀子さん
■ 遺族の訴えと誹謗中傷
「では、定刻を過ぎましたので開廷致します。」
午前11時。國井恒志裁判長の言葉で始まった公判には、冒頭から緊張感が漂っていました。
というのも、検察官が事前に通告していた通り、清水市横砂の事件に巻き込まれた被害者遺族が、陳述を行うことになっていたためです。
袴田さんが犯人とされた強盗殺人放火事件で、犠牲となった味噌会社専務一家4人の親族です。
陳述は、検察官が書面を代読する形で行われました。

▲静岡地裁(2024年5月22日)
約10分に及んだ陳述の内容は、被害者の遺族が事件後、いかに悲惨な人生を歩んで来たのかという切実な思いを訴えるものでした。
そして、「尊い4人の命が失われたことを、どうか忘れないで欲しい」「真実を明らかにして頂きたい」という願いが込められていました。

▲旧清水市横砂の事件現場(1966年当時)
今回、事件当時は生まれていなかった遺族が、敢えて陳述を希望した一番の意図は他にありました。
陳述の多くの時間を割いて訴えられたのは、遺族に向けられたネット上の誹謗中傷被害と、そのやり場のない苦しみでした。
袴田さんが犯人とされた、清水市横砂の一家4人殺害放火事件では、被害者家族の中で唯一生き残った当時19歳の長女がいたのです。

▲事件当時 30歳の袴田巖さん

▲事件が起き、袴田さんが住み込みで働いていた味噌製造会社
ネットには、長女を「真犯人に結びつけようとしている」(遺族の陳述より)ような投稿が数多く出回っているといいます。
陳述では「事実と合致するものを見つけるのが難しい」と事実無根であることが説明され、そうした書き込みをやめて欲しいと訴えられました。

▲2014年 釈放されて故郷・浜松に戻った袴田さん
一方で遺族の陳述は、袴田さんについて一言も触れてはいませんでした。
——「犯人が袴田ではないなら、一体誰なんだ…」
…事件の起きた清水などでは、そんな言葉を耳にすることがあります。
しかし本来、袴田さんが「無実」を訴えることと、真犯人がわからないことは無関係ですし、その点、袴田さんには何の責任もありません。
真犯人を取り逃がし、袴田さんを冤罪被害に陥れたのは、他でもない警察と検察なのですから。
■ 検察の論告、そして「死刑」求刑
その後、検察側の論告が始まりました。
昨年10月から行われて来た証拠調べで主張したことを、そのまま並べ立てた内容が延々と、午前から午後へまたいで1時間45分ほど続きました。

▲静岡地方検察庁
検察官3人のうち、すべての論告要旨を読み上げたのは、毎回裁判官に一番近い場所に座っている静岡地検の丸山秀和検事でした。
表情一つ変えずに淡々と、手元にある活字の文章を音声に変換していきます。
丸山検事を含む3人の担当検事はいずれも若く、袴田事件当時は生まれていない方々ばかりです。
検察組織の看板を背負い、ひたすら任務を遂行することだけに徹しているかのようです。
その姿に、秀子さんも思わず「ロボットみたいだ」と口にされたほどです。

▲静岡地裁(2024年5月22日)
午後1時15分に再開された午後の部の中盤、時刻は午後2時すぎでした。
検察の論告が、明らかに最後のまとめに入った辺りから、私の心臓の鼓動が徐々に早くなるのを感じました。
「本当に言うのか…、どのように言葉にするのか…。」
検察官の早口の読み上げに集中して耳を傾け、検察が示したスライドの最後の一枚を、素早く一行ずつ目で追いましたが、肝心の求刑の言葉が見当たりません。その時でした。
「…以上の諸般の事情を総合考慮し、被告人を死刑に処し、…。」
え?!と思うまに、「死刑」という言葉がすでに法廷の頭上を通り過ぎていました。
傍聴席の後方から、「ええっ?!」という女性の声と数人のどよめきが、わずかに漏れました。

検察の求刑に反応しようと身構えていた誰もが、そのタイミングを逸したまま、あっけなく「求刑」は終わっていました。
■ そして弁護団は…
「死刑」という言葉をわざと際立たせず、まるで、そそくさと逃げるような求刑。
こうした検察の態度には、堂々と宣言することが憚られるような、むしろ彼らの後ろめたさが現れているような、そんな印象さえ感じました。

▲浜松市の自宅にて 袴田さん姉弟(2024年5月25日)
一旦休廷となり、法廷外のエレベーター前で弁護団の出てくるのを待ちました。
すると現れた秀子さんは、弁護団の弁護士と話しながら、時折笑顔さえ見せていました。(きっと、検察官の声が小さく、秀子さんには聞こえていなかったんだろうと理解しました。)

▲秀子さんの表情(2024年5月22日)
ただ、最後にエレベーターに乗り込んだ小川秀世主任弁護人の、苦々しく渋い表情だけがチラッと目に入りました。
【<後編>「弁護団の反撃『最終弁論』」へつづく】
リターン
3,000円+システム利用料

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・最新の進捗状況をご報告
※当プロジェクトページの「新着情報」としてお届け致します。
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オンラインで映画を視聴コース
3000円コースのリターンに加え
・完成した映画をオンライン視聴
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※視聴できる日時・期間は未定ですが、映画の完成日が確定する2023年2月頃には決定予定です。
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