
寄付総額
目標金額 1,500,000円
- 寄付者
- 80人
- 募集終了日
- 2018年12月25日
コラム⑦ 百舌鳥・古市古墳群とは!?-前編-
こんにちは!大阪大学考古学研究室です。
この度のプロジェクトでは、多くのご支援をたまわり、誠にありがとうございます。
皆様のご協力のおかげで、無事目標金額を達成することができました。改めて厚く御礼申し上げます。残りわずかの期間ではありますが、引き続きプロジェクトへご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
また、大阪大学ではクラウドファンディングとして、この他にも能勢の人形浄瑠璃に関するプロジェクトも行っております。あわせてご支援のほどをお願いいたします。URLは以下の通りです。
https://readyfor.jp/projects/handai-nose
さて、募集期間も残すところあと1週間となりましたが、本コラムも締めくくりとして、今まで取り上げられなかった、いくつかの情報をご提供していきたいと思います。
締めくくりのテーマは、今回のプロジェクト対象である「百舌鳥・古市古墳群」についてです!
百舌鳥・古市古墳群とは!?(前編)
古市古墳群は、大阪府の藤井寺市と羽曳野市にまたがって展開する日本最大級の古墳群です。墳丘の全長が425mをはかる誉田御廟山(こんだごびょうやま、応神陵)古墳をはじめとして、多くの巨大な前方後円墳を擁します。それと同時に、大型前方後円墳に付随する陪冢(ばいちょう)や、その他の小古墳(円形や方形、帆立貝形)をふくめて多種多様な古墳によって構成されています。
一方の百舌鳥古墳群は、堺市に展開する、同じく日本最大級の古墳群で、日本一有名といっても過言ではない大仙陵(だいせんりょう、仁徳陵)古墳のほかにも、大規模な前方後円墳や大小さまざまな方墳・円墳などを含みます。
さて、世界遺産候補として注目を集める百舌鳥・古市古墳群ですが、ただ大きな古墳がたくさんあるというだけでなく、その形成過程などにも多くの興味深いポイントがあります。
ここでは、百舌鳥・古市古墳群をおおきく4つの時期に分けてみていきましょう!
1.百舌鳥・古市古墳群黎明期
百舌鳥・古市古墳群の中で最初期に築かれたのは、百舌鳥古墳群の乳岡(ちのおか)古墳・長山(ながやま)古墳、古市古墳群の津堂城山(つどうしろやま)古墳です。このうち、津堂城山古墳は、その規模や定型的な長持形石棺(コラム③「古墳の中身はどうなっている?前編」をご覧ください)の採用など、まさに新しい時代を画するにふさわしい大古墳といえます。

古市古墳群において津堂城山古墳の次に築かれた仲津山(なかつやま)古墳は、墳丘長290mと、津堂城山古墳からさらに巨大化しています。古市古墳群の勢力基盤が盤石のものとなったと評価できるでしょう。
一方、百舌鳥古墳群では、乳の岡古墳・長山古墳の成立からすこし間をあけて、上石津(かみいしづ)ミサンザイ古墳(「履中陵」)がつくられました。この上石津ミサンザイ古墳は、墳丘規模365mと、大仙陵古墳、誉田御廟山古墳についで全国第3位の大きさを誇ります。

この上石津ミサンザイ古墳の陪冢であるのが、七観(しちかん)古墳です。七観古墳そのものはすでに消滅してしまっていますが、近年その出土遺物の詳細な報告が出されるなど、百舌鳥古墳群の内実を探るうえで重要な古墳であるといえます。多量の武器・武具や馬具、金銅製の帯金具(おびかなぐ)など、質・量ともに充実した副葬品が納められていました。
この時期の古墳としてもう一つ重要なものがあります。それが百舌鳥大塚山古墳です。
百舌鳥大塚山古墳は上石津ミサンザイ古墳の南にかつて存在した、墳丘長168mの大きな前方後円墳でした。しかし、戦後の宅地開発によって失われてしまったのです。現在は道路上に、かつて古墳が存在した痕跡をみとめられるばかりです。

戦後の宅地開発により消滅した古墳としては最大規模です。遺跡は、一度破壊されると元に戻すことはできません。遺跡の保護の大切さを考えさせられます。
2.誉田御廟山古墳の時代
黎明期で百舌鳥・古市において大型古墳が築かれていきますが、その後にまず最盛期をむかえるのは、古市古墳群です。

仲津山古墳に続いて築かれたのが、古市古墳群最大の誉田御廟山古墳です。体積でみれば、大仙陵古墳を抜いて日本一とも言われています。誉田御廟山古墳は、南北にひろがる古市古墳群の東に並ぶ中心的な一群の大古墳のうち、ちょうど真ん中あたりに位置しています。

誉田御廟山古墳には注目すべき陪冢があります。それがアリ山古墳です。
アリ山古墳は野中古墳と同じく、大阪大学の北野耕平氏によって発掘調査が実施され、大量の鉄製品が発見されました。野中古墳とあわせて、百舌鳥・古市古墳群の内実をさぐる上で重要な手がかりと言えます。
またアリ山古墳の鉄製品組成の特徴として、甲冑類は認められず、野中古墳よりも武器類・農工具類の割合が大きいことが挙げられます。同じ鉄製品を多量副葬する陪冢でも様相が異なっているのです。
一方、このころ百舌鳥古墳群では、大規模古墳の造営は下火になります。といっても、全国的に見れば十分に大きい古墳(保存運動で有名な、いたすけ古墳など)はあります。
このように百舌鳥古墳群と古市古墳群とは、それぞれ常に同じようなペースで最大規模古墳をつくり続けていたのではなく、細かく見れば、古墳築造にも緩急があったようです。
3.大仙陵古墳の時代
古市古墳群で最大の誉田御廟山古墳が作られた次は、百舌鳥古墳群で最大の古墳が作られます。これが大仙陵古墳です。百舌鳥古墳群中にとどまらず、全国で最大の古墳となりました。墳丘長は、最近の調査で500mを超えることが明らかになりました。

大仙陵古墳については、明治期に前方部が風雨のダメージを受け、石室と石棺(長持形石棺)が露出したとの記録が残されています。その際に発見された副葬品などは、現在見ることはできませんが、その様子を記した絵図と石棺の復元模型が堺市博物館にて展示されています。
http://www.city.sakai.lg.jp/kanko/hakubutsukan/kofun.html#cmsNINHYA06
この時期、古市古墳群では大きな古墳はつくられていませんでした。ではまったく古墳がなかったのかというと、決してそんなことはありません。
誉田御廟山古墳と大仙陵古墳のちょうど間あたりの時期につくられたのが、今回のプロジェクトの主役である、野中(のなか)古墳です。

野中古墳の主墳である大型の前方後円墳、墓山(はかやま)古墳は、野中古墳より少し前、誉田御廟山古墳と同じころに作られたと考えられています。主墳の完成後につくられた陪冢である野中古墳ですが、後といってもそれほど時期が大きく離れているわけではありません。
野中古墳に人体埋葬があるかどうかは、現在も議論の的になっていますが、もし人体埋葬があったとすれば、野中古墳と墓山古墳の被葬者同士は同じ時期に活躍していた人物であると十分に考えられます。
また誉田御廟山古墳の陪冢である誉田丸山古墳も、主墳から遅れて築かれました。この古墳から出土した金銅製の馬具などは、国宝に指定されており、隣接する誉田八幡宮におさめられています。
野中古墳の場合は多量の甲冑や武器を主体としていましたが、こちらは少量ながら豪華な優品が特徴といえます。
これら陪冢の意義については、最終回のコラムで改めて取り上げてみたいと思います。
長くなりましたが、今回はこのあたりにして、次回いよいよ百舌鳥・古市古墳群の終焉と、野中古墳の意義について述べていきたいと思います。
お楽しみに!
ギフト
5,000円

【プロジェクトサポーターコース】
・お礼のメール
・希望者にHPにご芳名を掲載
・活動報告書(PDF)
2019年度末にお送りします
・寄附金領収書
(2019年3月末までに送付します。領収書の日付は大阪大学に入金がある2019年2月の日付になります。宛名はリターン送付先にご登録いただいたお名前になります。)
- 申込数
- 25
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2019年3月
10,000円

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・活動報告書(PDF)
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・寄附金領収書
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- 2019年3月
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- 25
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- 2019年3月
10,000円

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