難民たちの声―うちの娘もあなたと一緒にどこかに連れて行って

難民たちの置かれた状況は皆厳しく、様々な苦難を抱えています。

活動をする中で、忘れられないエピソードがあります。

「いっそのこと、うちの娘もあなたと一緒にどこかに連れて行って。この子がいなくても構わない」。シリアからレバノンに逃れた難民家族を巡回する心理士が、ある母親から投げかけられた言葉。その時、その娘はたった13歳。

どうして、こんな言葉を母親が言わなければならないのか。母親の胸中を思うと、苦しくてたまらなくなりました。

しかし、自分の国を離れ、キャンプのような劣悪な環境での生活が長引く今、食べるものすら事欠く状態で、子どもを手放したいと追い詰められている家族も多いのです。実際、両親が娘に与えられるものは、もう何も残っていないのです。

世界の医療団は、難民たちの心身のケアのため、専門家によるカウンセリングも行っています。同時に、難民キャンプで働く人々に対しても、自分のこころを守るためのトレーニングを行っています。難民の悲惨な現状を目の当たりにし、こころのバランスを崩してしまうスタッフも少なくありません。それだけ、難民たちの経てきた旅路は過酷なのです。

シリア難民支援活動を続けるために、どうかこのプロジェクトにご支援ください。