映画制作の未来を問う。出演者不祥事による助成金不交付の違憲性
映画制作の未来を問う。出演者不祥事による助成金不交付の違憲性

支援総額

1,138,000

目標金額 1,000,000円

支援者
177人
募集終了日
2020年2月28日

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2020年02月25日 18:49

第1回口頭弁論期日 ご報告

 

本日、令和2年2月25日午前10時45分から、映画『宮本から君へ』助成金不交付決定取消訴訟の第1回口頭弁論期日が開かれました。

 

当方は、原告スターサンズの河村代表と弁護団が出席し、被告側は欠席でした。

 

まず相互が提出した主張書面の陳述や証拠の提出を終え、その後、裁判所から30分程度の時間を頂き、弁護団のうち、弁護団長の四宮、憲法の専門家として著名な伊藤真弁護士、行政法の研究者である平裕介弁護士の3名が「意見陳述」を行いました。

この「意見陳述」は、訴訟手続上の主張ではないため、判決の基礎となるものではありませんが、本件訴訟の意義や本質を裁判所や傍聴人の方々により深くご理解いただきたい、という想いで行いました。

 

私からは、今回の訴訟は、「人権保障の最後の砦である司法の力で、憲法が保障する基本的人権を守りきることができるか」が問われる訴訟であり、憲法25条が「健康で文化的な最低限度の生活」と述べ、わざわざ「文化的」という言葉を用いて、国民の生活が「文化的」でなければならないと明確に述べていることを重視すべきである旨を述べました。さらに、「公益性」とは何かを問う訴訟でもあり、多くの国民が本件訴訟の帰趨に注目している、ということを肝に命じて本件訴訟と向き合う所存である旨を述べました。

 

伊藤真弁護士は、今回の助成金不交付処分は表現の自由に対する実質的な制約になること、「公益性の観点」という曖昧不明確な概念による表現の自由の制約を許してしまうと、人々の表現活動を萎縮させてしまい、映画に限らず、美術、演劇、音楽すべての文化芸術活動も萎縮して、大きな萎縮の連鎖が生まれる危険がある旨を述べました。また、憲法25条で、健康で「文化的」な生活を人権として保障しているのは、文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは人々の変わらない願いであり、個人の幸福追求権(憲法13条後段)の具体化といえるものだと述べたうえで、たとえ多くの人が眉を顰めるような作品であっても、鑑賞する者がそこから何かを受け止め、皮肉や問題提起も含めて刺激を受け触発されるものがあれば、文化芸術として十分に保護されるべきだと述べました。さらに、文化芸術に関する公的助成に関して平等に扱われる権利(憲法14条)が保障されなければ、国家による恣意的な表現の選別が行われるおそれがあり、合理的な理由を説明できない差別的扱いは決して許されるものではない旨を述べました。

 

平裕介弁護士は、行政法の専門家の観点から、「公益性」という補助金適正化法や芸術文化振興会法などの関連法令に一切規定されていない、本来考慮してはならない要件を持ち出して助成金不交付処分を被告が行なっており、違法であることは明らかであり、また、本件処分の違法性の背景には重要な憲法問題が含まれており、行政裁量の幅は極めて狭いものであるから、比較的厳格な判断過程審査によって裁量審査がなされるべきである、と述べました。さらに、文化芸術活動に関する専門家らで構成される専門委員会の審査内容について十分な調査・考慮がなされていない、という「考慮不尽」の違法があり、その他の複数の点で裁量の逸脱・濫用と認められるべき違法事由があると述べ、本件訴訟は、我が国が法治国家として何とか踏みとどまることを立憲主義及び法治主義の番人である裁判所に託す訴訟なのだと述べ、弁護団による意見陳述を締めくくりました。

 

第2回口頭弁論期日は、5月12日(火)午後3時から東京地方裁判所419号法廷で開かれる予定です。

今日は傍聴席が満員になるほど多くの方々が傍聴にお越しくださいました。次回期日では、被告側からの認否・反論の書面が提出される予定ですので、次回期日も是非、傍聴にお越しいただいて、本件訴訟の重要性を感じていただければ幸いです。

以上

(文責:弁護団長 四宮隆史)

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