盲導犬の繁殖について

　当協会で盲導犬になるパピーたちは、盲導犬の血筋を代々受け継でいる母犬と父犬から生まれてきます。盲導犬はその役目から不妊手術をしてお仕事をすることになりますので、「この盲導犬は優秀だからその子孫を残そう」ということができません。そのためパピーを生む役割を担う父犬と母犬、つまり繁殖犬を私たちは訓練犬や盲導犬と同じくらい大切な犬として管理しています。

　当協会では現在（２０２１年３月末）父犬９頭、母犬１３頭の繁殖犬が活躍し、そのすべての繁殖犬たちはボランティアのご家庭で生活しています。

　繁殖犬は、股関節や肘関節の形成不全の有無、眼底検査、心電図による心臓チェック、血液検査、ブルセラ症のチェックなど、遺伝病や身体的に問題のない犬であるかを数回にわたり検査し、それと共に性格面も訓練犬と同様の適性テストを行ったうえで繁殖犬としての適性を評価したうえで認定します。

　しかも繁殖犬として活躍できる期間は、当協会が加盟する国際盲導犬連盟で、母犬は生涯の出産回数は４回まで、かつ年齢は６歳までとの基準が​​決められていますので、繁殖犬たちもその跡継ぎを絶えることなく残していかなければなりません。

　このように１頭の盲導犬が活躍する背景には、繁殖犬というとても大切な役割を担う犬たちが必要なこと、その犬たちのお世話してくださっているボランティアさんご家族がいること、そして繁殖犬たちの適性と健康を守っていくために多額の検査費や医療費が必要なことをぜひ皆さんに知ってほしいと思います。

　犬たちの健康を守っていくために、どうぞご支援よろしくお願いいたします。

​​​