Vol.101 リアル「トップガン・マーヴェリック」ですか？。

「映画のトップガン・マーヴェリック、兄貴が映っていますよ」
　なんのことかと理解ができなかったけれど、映画館に運んでみて、このことかと……。自分で口にするのも照れますね。そんなにかっこいいことではないから。
　トップガン演じるを主人公マーヴェリックは数々の戦績を残しながらも出世には無関心。ひたすら戦闘機を乗りこなす日々。そんな撃墜王も引退を進言され、次世代のトップガンを育てよと命じられる。だが……。
　　これ以上はネタバレになるから書けないけれど、たしかに生き様は似ていなくはないですね。もちろんルックスはまったく別ですけれど、気持ちは凄くわかる。感情移入してしまいました。
　人類最速のマッハに挑戦するのも、気を失うほどの旋回Gに耐えるのも、どこかニュルブルクリンクと似ているところがあります。
　ニュルブルクリンクのストレートで僕は309km/hを記録しました。その速度があまりに速すぎたので、危険だとのことで現在は280km/hに制限されました。そのきっかけになりました。
　アーレンベルグの先の6km地点フォックスローレは、段々の滝落としのような下だり区間です。ブレーキング手前では6速です。250km/hに達しています。そしてその先は急激な上りなのが特徴です。立ちはだかる壁にマシンを叩きつけられます。サスペンションは4輪ともフルボトムします。激しい縦Gが体を襲います。首がグッと縮まります。腰椎が軋む音が聞こえそうです。頭部の血液が下がる。心臓のポンプがねをあげる。クラクラして視界があやしくなる。頭を振って意識を繋ぎ止める。
　強烈な縦Gは全身に加わりますから、つまりその縦Gは脚にも襲い掛かる。アクセルペダルを踏み込むには都合がいいのですが、足首を引くのが重い。ブレーキングが遅れてしまうのです。これが恐怖ですね。でも挑まねばライバルに勝てないのです。だから耐える。
　ニュルブルクリンクは、世界でも稀な3次元のサーキットです。マシンが離陸するジャンプスポットが点在しています。フォックスローレのような立体的な難所も少なくない。レースは2次元の平面で行われるものだと思っていましたが、ニュルブルクリンクは例外でしたね。という意味で言うならば、戦闘機パイロットと近似性がありますよね。
　そして映画では、いつまでも現役でコクピットに乗りたがるパイロットが描かれている。
　もう一度、映画館に足を運んでみますね😜