統合失調症という感性を本に!『めにみえぬものたち』を届けたい
統合失調症という感性を本に!『めにみえぬものたち』を届けたい

支援総額

3,085,000

目標金額 2,600,000円

支援者
198人
募集終了日
2018年5月31日

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2018年04月11日 22:34

「めにみえぬものたち」とは?



この物語には、父ともう一人の主人公がいます。
それは、私の娘です。

私は、かなりのリアリストというか、現実に手に触れられるものだけを、信じて生きていました。UFOや、心霊体験の話をする人とか、嫌悪しているほどでした。スピリチュアル系のものや、宗教的なものも、一切受けつけない人間でした。
理由はよくわかりません。でもそれが、この社会の常識で、
現実だと思っていました。それは、いまでも変わりません。
しかし、あるきっかけがあり、現実では、目に見えないとされているものを、見てしまう人たちに興味を持ち始めました。

それは、自分に、子どもが、生まれて、1歳になったころのことです。娘が、何もない空間にむかって、ばいばい、と手をふるようになったのです。初めてできた、娘の可愛さもあって、彼女が、見つめる空間に何があるのかを知りたくなりました。何があるのかは、いまだにわかりません。

娘が、二歳になって、ほんの少し自分の想いを言葉にできるようになってきました。そこで、どこに、何が見えているのかを何度も聞くことにしました。いまでは、毎日かかせない娘とのコミュニケーションの時間になっています。

その話は面白く、娘に見える、おばけたちの造形もまるで、寓話の世界にいる怪物のようです。それは、私が幼い頃に、恐れながらも、心を踊らせていた、絵本や、映画の中にでてくる怪物たちと同じようなリアリティーを持っています。

娘が、見ている怪物たちを自分も見てみたい。。
そんな気持ちが強くなりました。そして、娘が見た、もしくは、見えそうな場所へと一緒にでかけるのが日課となりました。そこで、不思議な、親子の体験をたくさんしました。

因島に箱崎という漁港があります。漁師さんたちは、それぞれの船に船霊(ふなだま)さまという、神さまの象を奉っています。その昔、漁師さんたちは、船霊さまの鳴き声が聴こえていたそうです。海が荒れる前の夜に、船霊さまは鳴いてお知らせしてくれるそうです。夕暮れ時に、箱崎の漁港へ娘と遊びに行きました。桟橋の真ん中で、娘と海を眺めていました。すると、桟橋の入口に、自分に似た小さな女の子が立っていると、娘が指をさしました。私には何も見えません。娘が指をさした方から、ゴーンという音がしました。すると、娘が「ゆもちゃんに似てる子がこっちにくる!」と言いました。ゴーンという強い音が、怪物の足音のように、こちらへ近づいてきます。ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン。娘が恐いというので、自転車に乗って帰ろうとしました。「ゆもちゃんに似てる子の所へもう一回いきたい。。」というのでもう一度、桟橋に行きました。娘が、ばいばいと手を振ると、今度は、ゴーンと静かで優しい音が鳴りました。島の資料館にある船霊さまの神像は女の子の座敷童のような姿をしています。何となく娘に似ている気がしました。もしかしたら、あの桟橋で、娘が見た、女の子は、船霊さまだったのかも知れません。

子どもが持っている光るような素直な感性。
その輝きは、私が、この社会の常識で、
現実だと思っていた、かちこちに固まったものを、
柔らかに変化させてくれるようでした。

正直にいうと、娘は、私にとって初めての子どもだったので、どう接して、どうやって遊んであげたらいいのか分からない時期もありました。そんな時に、娘が、見えている世界に、合わせたり、そう演じることで、子どもは、喜ぶことが、少しずつ分かって来ました。そして、二人には、見えた時間を共にするという「体験」が生まれました。二歳の娘が言うことを、真に受けずに、ウソだと話半分に決めつけて接することだってできました。しかし、私は、娘が見つめる世界を信じて、一緒に時間を共にしました。そんな時間が、私へ、娘とのコミュニケーションや、一緒に遊ぶことを学ばせてくれました。

そうして、娘に三歳が近づいて来た今「もう、ゆもちゃん、神さま見えなくなっちゃってん」と言い始めました。アイヌでは子どもは三歳まで、人間ではなく神さまのような存在だと考えていたそうです。娘と「体験」した時間は、人間になる前の、幼い子どもと、それを信じて見つめる親だけが持てる、特別な時間だったんだなと感じています。少し寂しいけど、すべての形は変わっていくものです。これからも、子どもの成長と共に過ぎ行く、特別な時間を、大切にしたいと考えています。そして、人と人が共通して体験したことは、どんなに、ヘンテコだって信じることができます。

そんな娘を見てると、父に「電波」が見えていた日々を思い出しました。あの時に感じた何かをいまなら言葉にできる。そして父の話を書ききりました。そうすると娘が見ている世界についても書きたくなりました。統合失調症と、子どもの感性は、私の中で、相反するものではなく、完全に同一のものです。この二つの感性には、まぎれもない「詩」が存在しています。私は人間の気持ちに全力で詩を感じたい。

「めにみえぬものたち」は、目に見えない不確かなものを、ただ闇雲に信じようという物語ではありません。これは人間の体験や、実感を、もう一度、信じる物語です。統合失調症や、無邪気な子どもたち、不思議なものが見えている人にとっては紛れもない事実であり、体験なのです。それは豊かな感性が与えてくれた事実だと感じています。

社会は、人間の感性を、病気という窮屈な概念に、押し込めようとしているのかも知れません。しかし、個人の体験は「固定観念」や「思い込み」も、豊かさへと変化させてくれると感じています。それは、窮屈で、不自由な社会を、打ち砕く力になります。そして、ひとつの人間の体が持つ「感性」には底知れぬ深さや、希望があると信じています。この本が、手にして読んでくれた人たちの感性に響く、大切なものになってくれたら幸いです。

リターン

5,000


書籍「めにみえぬものたち」サイン入り 巻末にお名前クレジット

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•巻末にご支援者様のお名前をクレジット

•書籍「めにみえぬものたち」サイン入り
※1冊は、ご支援者様へお届けいたします。
※0円で本を届けてくれる人には2冊まで、ご希望の冊数を進呈します。周囲の方へ配布頂ければ幸いです。

申込数
151
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年9月

10,000


オリジナル手描きトートバック

オリジナル手描きトートバック

•オリジナルの手描きトートバックをプレゼントします。作家本人が1枚づつトートバッグへ絵を描きます。世界に1点のトートバッグです。絵柄は、すべて違いますので、こちらで選んでお届けします。絵本などを入れて持ち運べるサイズのトートバッグです。図書館や、本屋さんへのお供に最適です。

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•書籍「めにみえぬものたち」サイン入り
※1冊は、ご支援者様へお届けいたします。
※0円で本を届けてくれる人には3冊まで、ご希望の冊数を進呈します。周囲の方へ配布頂ければ幸いです。

申込数
29
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年11月

5,000


書籍「めにみえぬものたち」サイン入り 巻末にお名前クレジット

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オリジナル手描きトートバック

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※0円で本を届けてくれる人には3冊まで、ご希望の冊数を進呈します。周囲の方へ配布頂ければ幸いです。

申込数
29
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年11月
1 ~ 1/ 12


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