住職のひとりごとコラム:３月１６日みょうえピクニック

ご支援と応援ありがとうございます。

３月16日みょうえピクニックのお話です。

内崎山の復興には、危険木の整備、植樹、法面の工事、階段や参道の整備が必要でした。けれど、それだけでは足りませんでした。ただ修復するのではなく、人々にこの山を知ってもらい、歩き、訪れ、親しんでもらうこと——それが、本当の意味での復興だと考えたのです。

しかし、現実は厳しく、資金はなく、先行きも見えませんでした。自力でできることには限界があり、途方に暮れる日々。そんなとき、「補助金を申請してみては？」という助言をいただき、わずかな光を頼りに、数多くの補助金申請に挑戦することを決めました。

けれど、その道のりは想像以上に険しいものでした。宗教法人では申請できない補助金が多く、伐採そのものを支援する制度は見つかりません。それでも諦めずに探し続け、ようやく「伐採後に花や紅葉の木を植えることができる補助金」を教えていただきました。半年かけて資料を作成し、県に連絡を入れたその瞬間——「新規の申請はできません」と、まさかの返答。がく然としました。けれど、そこで終わらせるわけにはいきませんでした。何か別の方法はないか。別の可能性は。そうして模索を続けた末、最終的に「イベントを含む補助金」を申請することになったのです。

最初の目的は伐採や工事のための資金確保でした。しかし、「今この瞬間からでも、内崎山を多くの人に知ってもらおう」と発想を転換し、ピクニックイベントの企画へと舵を切りました。

——そして迎えた、開催前の一週間。

私の頭を支配していたのは、天気予報でした。15・16日だけが雨の予報。しかも、日が近づくにつれ「1時間3ミリの大雨と強風」という厳しい予報に変わっていく。眠れない夜には、「雨でも来たくなるキャッチコピーはないか」と必死に考えました。

金曜日、3ミリの予報が2ミリに。土曜日には、さらに1ミリへ。そして迎えた当日の朝。準備を進めるなか、一瞬、雲間から青空がのぞきました。

「どうか、このまま天気が持ちますように」——祈るような気持ちで、ピクニックが始まりました。

午前は曇りと小雨。昼には少し雨が降ったものの、午後も困るほどではない小雨。そして、気がつけば、多くの人々が山の上まで足を運んでくださっていました。その光景を目にしたとき、胸がいっぱいになりました。

このイベントが実現したのは、ひとえに多くの方々の支えがあったからです。補助金申請に力を貸してくださった県のご担当者様、初めから最後まで尽力してくださった「月を愛でる会」の皆様、茶菓子と懐紙をご提供くださった高山寺様、お抹茶のお接待をしてくださった皆様、そして出店者の皆様。陰で支えてくださった奉讃会をはじめすべての方々に、心より感謝申し上げます。

そして、何よりも——この日を無事に迎えられたこと、見守ってくださった諸仏のご加護に、深く感謝いたします。