📚　⑦rTMS療法は、どのような治療法？

　うつ病は、脳の働きに問題が起きている状態です。脳と心臓は、電気生理学的な器官と言われています。

　心臓も、ペースメーカーのような電気的刺激による治療法があります。

　同じように、脳も電気的刺激による治療の効果が期待できるのではないか、という考えから研究が始まりました。

　手術を行って脳へ直接刺激を与える治療法とは異なり、非侵襲性の治療です。磁気刺激装置で磁場を発生させ，脳に発生する渦電流により，神経組織を刺激することができます。

　中でも、外部から規則的な磁気刺激（例：10Hz、5Hzなど）を繰り返し行うものをrTMSといい、現在、さまざまな疾患への治療に応用されています。

　この磁気刺激の強度は、MRI検査と同じ1.5-2.0tesla、発生する磁場は検査に用いるMRIの静磁場に対して、ｒTMSでは変動磁場を用いて治療します。rTMSの磁気刺激の深さは1.5-3.0㎝となっています。

　2008年にアメリカで承認され、欧州、アジアにも広がっていますおり、日本では2019年６月に保険診療として認められた（適用条件があります）治療法です。