脳フェス2017プレイバック【当事者ファッションショー】

おはようございます。脳フェス代表の、脳卒中患者だった理学療法士、小林です。

 

脳フェスとは、脳卒中経験者の可能性を感じてもらう場所です。

 

「楽しい！をみんなへ！」という理念のもと、脳卒中経験者と健常者が並列関係で楽しみ、その結果として、脳卒中経験者および社会が、自身の無限の可能性を体感し、脳卒中経験者の社会参加とノーマライゼーションを促進することを目的としています。

 

第一回は、昨年の10月29日。日本を横断した台風の時に開催されましたが、当初の予定をはるかに上回る方にご来場いただきました。

 

昨年開催されたコンテンツは、

 

当事者ファッションショー、スポーツ、料理、美容、音楽、デコ装具、装具相談コーナー、脳卒中予防啓発講演、ゲストの河合美智子さんによるトークライブなど。

 

全て脳卒中経験者が主役となって、行いました。

 

今回は、その中から当事者ファッションショーについて、書かせていただきます(^^)

 

ファッションショーでは、男性1名、女性4名の脳卒中経験者をモデルにお呼びしました。

 

障がい者ファッションの経験豊富な服飾デザイナーとパーソナルカラー診断専門家と共に、その方が、どんな服が好きで、何を大事に生きてきたのかを事前にアンケートを取り、その方が本当に似合う服を選びました。

 

オシャレなセレクトショップへ行って一緒にお洋服を選び, ユニバーサルデザインに仕立て直したり、ファッションデザイナーが独自で開発した、障がいがあっても着やすい着物を着ていただきました。

 

その過程がとても楽しく、最初ファッションショーに自信なさげなモデルさんが、徐々に笑顔が増えていきました。

 

いよいよ当日。メイクアップもプロのお力をお借りし、みなさんの魅力を最大限に引き出しました。

 

本番では、アンケートをもとにその方の人生の転機をスライドで流しつつ、満員の会場の中をランウェイを歩いていただきました。

 

 

みんな笑顔で、ゲストの河合美智子さんのコメントも相まって、とても素晴らしいイベントとなりました。

 

 

特に印象的だったエピソードがあります。

 

ファッションショーのモデルに、着物をお召しになった車椅子の女性がいました。

 

彼女は、屋内介助歩行がやっとで活動性が低くなっていました。失語症もあり、人前に出る事に不安を感じ、ファッションショーへの参加も最初は悩み続けるほどでした。

 

本番は、車椅子でランウェイを移動するという設定にしていました。

 

ファッションショー本番。ランウェイの前に車椅子で現れた彼女は、満員の会場を前にして、突然立ち上がり、歩き出しました。

 

司会をしていた担当の作業療法士が驚き、「歩きますか？」の問いかけると、力強くうなずき、介助下でランウェイを歩きだしました。

 

 

 

そのアドリブは、観客のみならず、台本を知っているスタッフ全員の心を揺さぶりました。

 

でも、ファッションショーの効果は、それだけにとどまらなかったのです。

 

彼女は、脳フェスをきっかけに能動的になられ、訪問リハにも懸命に取り組まれ、今ではご自分で料理を作ったり、ご家族と共にご自宅の近くのスーパーまで歩いて買い物に行っていらっしゃるそうで、最近では電車にも乗れるようになったそうです。

 

人は、何かのきっかけで変われます。

 

今年も当事者ファッションショーは開催予定です。

 

詳細は後日アップいたしますが、今年はモデルさんを公募し、オーディションを行ったり、ウォーキングレッスンを行うなど、新たな試みも行なっております。

 

脳卒中を患い、喪失体験や、世間とのギャップに打ちのめされ、自身の可能性が信じられなくなった方は、ぜひ、脳フェスに遊びに来てください！

 

そこには、障がいに人生を諦めない、仲間たちがいます。

 

一緒に楽しい時間を過ごしましょう！

 

 

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