ユーモアに隠されたメッセージ　ウジュピス共和国

長くドイツやソ連の占拠が続いたリトアニア。

リトアニアは多くの苦難を乗り越え、自治を取り戻した国です。

だからこそ「自治」に対する誇りと強い思いがあります。

 

でもだからと言って厳しい顔で被害を訴えるのではなく、ユーモアでその思いを表現している場所があります。ウジュピス共和国。リトアニアの首都ヴィルニュスの中で【勝手に】独立した地区。（もちろん非公式）

 

ウジュピス共和国はかつてヴィルニュスの中でも空き家が多かった地区。そこにアーティストが集まりだし、イベントを開催したり、空き家をリノベーションしたりして、注目度が高まっているエリアです。

 

 

毎年4月1日は地区と市街地をつなぐ橋に検問所ができ、パスポートにスタンプを押して（入国？）します。

 

そしてここには、ウジュピス憲法なるものがあり、約20カ国語に翻訳されて掲示されています。日本語訳も今年1月に設置されました！！その憲法が素敵なんです。40の条文のうち、私の好きなものをいくつかご紹介します。特に最後の３つ「勝つな。やり返すな。でも降参するな。」厳しかった歴史が思い起こされ、それでもへこたれずに生きていく、そんな姿勢が大好きです。

 

1. 誰にもヴィルネーレ川のほとりに住む権利があり、
そしてヴィルネーレ川には皆のそばを流れる権利がある。

6. 誰にも人を愛する権利がある。

7. 誰にも愛されない権利があるが、これは必須ではない。

 

12. 犬には犬である権利がある。

13. 猫には飼い主を愛する義務はないが、
必要とされたら飼い主を助けなければいけない。

 

20. 誰にも暴力をふるう権利はない。

 

36. 誰にも個人として生きる権利がある。

37. 誰にも権利を持たない権利がある。

38. 誰にも恐れないでいる権利がある。

39. 勝つな。

40. やり返すな。

41. でも降参するな。

 

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