【赤道直下のクリスマス。】

いつまで経っても慣れない寒さのないクリスマス。

それでもとにかくメリークリスマス！

そうか、そうか、私にとっての６０回目のクリスマスだ。

幼い頃のことを美化してしまうのか、私が欲しいのはコタツで過ごすクリスマス。

大人になり、好きな人もできて、それなりにお洒落なクリスマスを過ごしたこともあった。だけどそれは今の私の心にあまり残っていない。その人と一生を添い遂げなかったから、覚えているのが面倒なのか、あるいはあまりにも平凡な恋人同士のクリスマスだったから、記憶にも残らないのか。

ガテラと出会い、何度も一緒にクリスマスを過ごしたが、その記憶もあまりない。何故ならば、その時期は運営していたレストランでいつもパーティをやっていたので、その準備に追われ、ロマンチックもへったくれもなかったからだ。

一番穏やかだったクリスマスが、子供の頃のコタツのクリスマスだったのかもしれない。父親はデパート勤務だったので、その頃は書き入れ時で、もしかしたら一緒にクリスマスをしたのはほんの数回だったのかもしれない。でも何故か、いや、それこそもしかしたら私が作り上げてしまった幻想なのかもしれないけど、コタツで半纏を着て、その上にいつもより御馳走となる食べ物が乗っかっている光景が頭の中にある。場合によっては、石油ストーブではその１週間後の大きなイベントとなるお正月のおせち料理の黒豆なんかを煮たりしてた。

子供の頃の想い出なんて、結構いい加減で、自分で作り上げた想い出もあるかもしれない。

それでもいいや。幸せな光景であれば。

ルワンダから、メリークリスマス！