
支援総額
目標金額 4,000,000円
- 支援者
- 290人
- 募集終了日
- 2022年10月26日
ニューズレター1月号&初号試写会ご報告
お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中に皆様より賜りました沢山のご厚情、そしてご支援ご協力に深く感謝申し上げます。
本年が皆様にとって幸多き年でありますように、心からお祈り申し上げます。
さて、本日ニューズレター1月号を発行いたしました。
https://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/pdf/newsletter_no298.pdf
当館HPより、上記PDFファイルでご覧いただけます。
1月号では、
・新年のご挨拶
・クラウドファンディング「【第11弾】蘇る六代目の舞台、小津安二郎『鏡獅子』を次世代へ。」初号試写会報告
・令和四年度 第51回 大谷竹次郎賞が決定しました
・第95回所蔵資料ミニ展示「黙阿弥尽くし!―河竹黙阿弥没後130年―」
・所蔵資料紹介 -[1]「浅草歌舞伎」プログラム-
・「中央区まちかど展示館」季刊誌Vol.13に「お年玉スタンプラリー」と当館の記事が掲載されています
・新着資料案内
・資料をご寄贈くださった方々
・公益財団法人松竹大谷図書館へのご支援のお願い
・松竹大谷図書館 ご来館予約のお願い
・利用案内
以上を掲載しております。
さて、2022年12月09日の新着情報でもお伝えいたしましたが、12月に、【第11弾】クラウドファンディングで進めていた、「鏡獅子」の4Kデジタル修復が完了し、株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス第1試写室を会場に、3回に亘って初号試写会を行い、関係者と共に5万円の支援者の方をご招待致しました。そこで、今回は、試写会の様子と今回制作した字幕版についてご報告致します。
初号試写は、作業が完了した映像を実際にスクリーンに投影して、関係者立ち会いのもとで確認を行い、問題がないことを承認する、デジタル修復の最終段階の重要な作業です。これまで修復や字幕作成などの作業は、それぞれフィルムの巻単位、つまり『鏡獅子』の場合は3巻のフィルムに分かれているので、3つのデータ別に管理されて行われてきました。しかし初号試写では、巻ごとに別だったフィルムのデータが繋げられて1本の映画となって上映されます。試写会での上映中、関係者は、映画全体としての仕上がりを確認すると同時に、違和感やバグが無いか集中して確認し、例えば継ぎ目に余計な映像が入ってしまった場合でも、発見して修正を行います。
また、今回「鏡獅子」4Kデジタル修復版では無字幕版のほか、日本語字幕版、英語字幕版を制作致しましたので、初号試写はそれぞれ1回ずつ、計3回行われました。
1)2022年12月 2 日(金) 15:30開始 無字幕版
最初の試写会は、支援者の方4名、松竹映像センターや東京現像所などデジタル化関係者12名、松竹株式会社関係者16名、松竹大谷図書館関係者8名、報道関係2名、計42名の方にご参加頂き、明け方にワールドカップで日本がドイツに勝利した歴史的な日に開催されました。
今回、全ての試写会での上映前に、修復プロデューサーの五十嵐真氏に『鏡獅子』が作られた背景や、当時の小津作品の評価、そしてデジタル修復について、お話し頂く約20分のトークショーコーナーを設けました。特に修復作業については、松竹大谷図書館のスタッフが見学に行く度に、プロの立場からのお話を色々と伺って感心した事が何度もったので、ぜひ皆様にも知って頂きたいと思い、五十嵐氏に詳しくご説明頂くことにしました。
トークショーでは、まず『鏡獅子』がいかに大切な作品であるかについて五十嵐氏に松竹の映像本部に長年いらした立場からお話し頂きました。
松竹の社史にも『鏡獅子』についてはきちんと記載されていて、そこには「(六代目)菊五郎が外務省の国際文化振興会からの依頼で、歌舞伎の真髄を海外に紹介するため、「鏡獅子」のトーキー撮影を行ったのは、この年(1935年)六月二十五日で、歌舞伎座打ち出しの後、松竹蒲田撮影所の小津安二郎監督の下に、徹夜で撮影を完了した。この映画は、海外向けが目的だったので、映画完成の後でも国内での一般公開は行われなかった。」などと書いてあります。
この映画が撮影された時代背景については、1927年にアメリカでワーナーブラザーズが、初めて本格的なトーキー映画『ジャズシンガー』を作り、また日本では1931年(昭和6年)に松竹が『マダムと女房』という本格的トーキーの第一弾を作った事があげられます。小津安二郎については1932年から3年連続でキネマ旬報のベストワンに輝いていて(「生まれてはみたけれど」「出来ごころ」「浮草物語」)、世の中で実力が認められた時期であり、その翌年の1935年にこの『鏡獅子』にチャレンジしています。1935年は蒲田撮影所最後の年で、翌1936年大船撮影所が始まりましたが、小津は閉所後の蒲田撮影所で「一人息子」を撮影しました。これが小津の初のトーキー作品と言われていますが、実はこの『鏡獅子』が本当の意味でトーキー第一弾という事になります。 3年連続ベストワンを受賞した作品はすべてサイレントの作品です。世の中は、1929年に世界恐慌、1931年に満州事変、世の中が物騒な状況であったのでしょうけど、エンターテインメントはその中で、民衆に求められていたのではないかと想像できます。松竹も、松竹興行株式会社と松竹キネマ株式会社が一緒になって、1937年に松竹株式会社が設立されています。そういう重要な時代の中で、作られた作品です。
― 続いて修復について、プロデューサーの視点からお話を伺いました。
現在はソフトウエアが開発されていて、ある程度自動で修復出来るようになったとは言え、最終的には1コマずつ人間の眼と手で修復していく作業が必要です。松竹映像センターがこれまで修復を手掛けた中でも一番古い映像である『鏡獅子』は、24分で約34,560コマの絵を修復しなくてはならず、非常に大変な作業でした。
デジタル修復は色々な事がやれるようになってきて、作業する者が自分達の主観で良かれと思って手を加える事も出来てしまい、ともすれば改ざんも出来てしまいます。ただ、映画というのは、監督をはじめ沢山の制作者の方たちの血と汗と涙の結晶であり、1カット1カット演出意図があってお客様にこれを伝えようという積み重ねであり、それを勝手に修復する作業者が主観で変える事は出来ないので、きちんと監修者の方を立てたり、当時の制作環境を調べたりして、お客様に当時の人がご覧いただいたできるだけそのままをご覧いただきたいと思っています。今回『鏡獅子』の映像は、よくフィルムの中にこれだけの情報量が残っていたなと、思うぐらい画も音も楽しんで頂ける状態になりましたので、ぜひ24分間の映像をお楽しみ下さい。
トークショーはご参加頂いた方からも大変好評で、「映画から見た意義や修復の話を聞けたことは、知識が深まりました。当時の最先端技術で、記録されたことを実感しました。おかげで、六代目の芸を見ることができることは、ありがたいことです。」という嬉しいご感想も頂きました。現場の人しか知り得ない貴重なお話に会場の皆様も時折頷きながら、熱心にお聞きになっておられました。
2)2022年12月15日(木) 19:00開始 日本語字幕版
2回目の試写会は日本語字幕版で、支援者の方9名、松竹映像センターなどデジタル化関係者5名、松竹株式会社関係者11名、映画・演劇関連機関より5名、松竹大谷図書館関係者7名、報道・劇評関係5名、計42名の方にご参加頂きました。
今回「鏡獅子」4Kデジタル修復版では日本語字幕版、英語字幕版、を新たに制作致しました。日本語字幕は、小津安二郎 DVD-BOX 第二集特典ディスク「まほろば」に収録された映像にも付いていましたが、その際は、ナレーションの台本をそのまま採用したと思われる完成台本の表記に忠実な字幕となっていました。昭和25年の再編集時に付け加えられたナレーションの文章は、浄瑠璃・歌舞伎など近世劇文学の研究家である守随憲治によるものです。昭和25年という時代には当たり前であった漢字表記や旧仮名遣いも、今となっては常用ではない表記も多かったため、松竹映像センターの笹木絵美子氏の主導で打ち合わせとチェックの作業を重ね、この機に、文章自体には手を加えずに、表記については、一字一句細かく見直しを行い、現代の字幕ルールに則ってひらがなにしたり常用漢字を置き換えたりするなどの変更を行い、現代の観客に通じる日本語字幕に仕上げました。(例:「申す迄もなく」⇒「申すまでもなく」、「我が儘に」⇒「我がままに」、「然も」⇒「しかも」、「そなはった」⇒「備わった」、「つやつやしてゐた」⇒「つやつやしていた」、「かへって」⇒「かえって」、「頗る」⇒「すこぶる」、「明治廿六年」⇒「明治二十六年」 など)また、詞章(歌詞)についても、完成台本の漢字表記の間違いを正したり、漢字をひらがなにしたりしました。(例:「伊勢天小舟」⇒「伊勢海士小舟」)
試写会の前の週には、株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスさんにお邪魔して、字幕の確認作業を行いました。そこでは、字幕の表示位置やフォントなどの最終確認を行い、字幕担当の成田幸司氏にアドバイスを頂き、詞章部分をイタリックにして頂いたり、詞章の各歌い出しの部分に合わせて字幕が表示されているかなどを確認しました。今回、音声がとてもきれいに修復されて聞き取りやすくなったので、詞章に合わせて字幕がタイミングよく表示されるのが良く分かりました。
海外のソフトに比べて、フォントが多種、細かいカーニング設定が出来るなどの性能を持つ
3)2022年12月20日(火) 10:30開始 英語字幕版
3回目に開催された試写会は英語字幕版で、支援者の方7名、松竹映像センター・松竹メディア事業部などデジタル化関係者24名、演劇ライツなど松竹株式会社関係者14名、映画・演劇関連機関より2名、報道・劇評関係8名、計55名の方にご参加頂きました。
今回の4Kデジタル修復版では、特に海外での上映を視野に入れ、英語字幕版の制作に力を入れました。英語字幕の監修は、イヤホンガイドの英語版翻訳やナレーション、シネマ歌舞伎の英語字幕などを担当されているポール・グリフィス氏にお願いしました。字幕の表示に字数の制限がある中、ナレーション部分は、昭和25年頃の、ちょっと古い日本語の言い回しを分かりやすく英語にして頂き、また、詞章(歌詞)の部分は、叙景的表現や、古い日本語の表現なども、とても丁寧に意味が伝わるように英語に翻訳して頂きました。試写会後にも、字幕がとても分かりやすく良かったというお褒めの言葉を多く頂き、海外に向けての活用に大きく一歩を踏み出せた気が致します。
以上、3回行われた試写会についてのご報告でしたが、修復された映像や音声に関しては、これから皆さんにご覧いただく機会もある事を想定し、その時に新鮮な気持ちで見て頂けるように、敢えて細かいレポートは掲載しませんが、松竹映像センターの皆さんの気持ちのこもった丁寧な修復により、映像と音声が非常に鮮明になったことは間違いありません。試写会の参加者の方にも大変好評で、「キズやノイズが取り除かれた事によって六代目の舞踊に集中して映像が観られるようになった」「手獅子の音や所作台を踏む音が立体的に聞こえてくるので、映像に臨場感が出た」など、好意的な感想を多く頂いております。
完成したデータは1月末に納品されますので、それ以降『鏡獅子』の活用にぜひご期待ください。
リターン
3,000円+システム利用料
活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2023年4月末に送信予定)
- 申込数
- 63
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年4月
5,000円+システム利用料

松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー『鏡獅子』完成台本表紙デザイン
3,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー
当プロジェクト限定!
当館所蔵『鏡獅子』完成台本(昭和25年編集版)表紙デザイン
- 申込数
- 95
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年4月
3,000円+システム利用料
活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2023年4月末に送信予定)
- 申込数
- 63
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年4月
5,000円+システム利用料

松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー『鏡獅子』完成台本表紙デザイン
3,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー
当プロジェクト限定!
当館所蔵『鏡獅子』完成台本(昭和25年編集版)表紙デザイン
- 申込数
- 95
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年4月

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