タグリードです！よろしくお願いします！

こんにちは！パルシックガザ事務所のTaghreed（タグリード）です。本日からガザの女性たちとその家族の暮らしを守るためクラウドファンディングに挑戦します！皆さま、応援のほど、どうぞよろしくお願いします。

 

私は1977年にガザ地区の難民キャンプで生まれました。2002年、結婚を機にUAEに移り、9年を英語教師として、その後、セラピスト、ケースマネージャーとして働き、2013年の9月初めに、UAEからガザに戻りました。10年以上もガザの外で暮らしていた私にとって、電力不足や水不足のガザでの生活は、大変厳しいものでした。子どもたちは新しい学校と新しい友達で、言語の壁に苦しみ、私は子どもたちが理解できるよう、アラビア語の科目を英語に翻訳しなければなりませんでした。算数でも、アラビア語の2と6の数字はまるでヒンディー語の数字のようで難しいので、とても苦労しました。

 

ガザに戻ってきたばかりの頃は、私も夫も仕事が無く、UAEで溜めた貯金を切り崩しながら生活しました。ぼんやりとした気持ちで、私はどうすれば良いのか、何から始めれば良いのか分からず、ただただ、子どもたちが学校で自立できるようにと、1年以上、専業主婦として過ごしました。

 

2013年の冬、1週間だけですが、NGOで通訳として働きました。これが良いきっかけとなり、翻訳の学位を取るべく勉強を始めました。そんなとき、私は姉妹からパルシックガザ事務所の募集を知り、面接を受け、2015年の9月からパルシックガザチームの一員となりました。現場補佐から始まった仕事でしたが、今では、ガザ事務所の会計担当と事業担当を兼任しています。

 

 

UAEで教師として、また自閉症の子どもの行動療法セラピストとして働いた経験が役に立っています。ガザ地区の子どもたちのための心理社会的支援を行った際には、子どもたちが安全に遊べて、自由に表現でき、子どもの権利が守られる心理社会的支援セッションを実施し、トラウマを抱えた子どもたちと家族の生活の質を高めることに寄与しました。また、子どもたちが安全に遊べる場所を守るため、公園の緑化活動を行い、紛争のトラウマを抱えた子どもたちへ、リラクゼーション活動を提供しました。

 

 

2014年のガザ侵攻（2014年7月8日、ガザにイスラエル軍が攻撃を開始。50日間に及んだ激しい空爆と地上戦により、ガザの町は壊滅的に破壊され、死者は2,251人（うち7割が女性や子供を含む民間人）と、第4次中東戦争以来最大となった）に対する人道支援として、攻撃を受けた小規模農家を対象に、種苗を提供しました。同時に、農家から購入した野菜を食糧バスケットとして、貧困家庭に配布しました。水不足の農家の支援のための灌漑システム作りも行いました。また、女性世帯主に食用のウサギと鶏を配り、畜産をして生計を立てる支援も行いました。

 

 

現在実施しているのは、乳製品生産を通した女性世帯の生計支援です。羊を飼い、乳製品（チーズ）を製造することで、生計を改善することを目指しています。現在、169名の参加者が、29のグループに分かれて羊の飼育を行い、5基の水耕栽培ユニットで羊の飼料（餌）を作っています。来年には、一部の女性たちで組合を組織し、本格的な乳製品販売を行う予定です。

 

私はこれらの様々な事業の中で、様々な仕事をしてきました。ベースライン調査、ステークホルダーとの調整、女性たちへのモニタリング、ワークショップの企画、セミナーの実施、支出の管理、会計レポートの作成、等々。

 

 

いつも事業を実施していて難しいと感じるのは、特に田舎に住む女性たちの状況についてです。ガザ地区の田舎は大変保守的な社会であり、女性たちと直接会うことすら簡単ではありません。最初に調査に訪れた際、男性スタッフは、女性ガイドを同行しなければ訪問することができませんでした。しかしコミュニケーションを重ね、強い信頼関係を構築した今では、この問題はなくなり、ガイドを連れていく必要はなくなりました。

 

保守的な文化の中では、ワークショップに参加できる女性の数も低くなります。事前に電話で何度も連絡を取り、ワークショップ当日の朝も電話をし、SMSを送り、時には直接訪問して、彼女たちの配偶者に会い、なぜワークショップに来ないのか確認し、4時間を超える研修/ワークショップの場合には軽食を提供するようにしました。

 

 

私はある女性の献身さに驚きました。乳製品を販売するための女性組合立ち上げの話を聞くや否や、彼女は袖をまくり上げて活動を始め、なんと3か月のうちに運転免許証を取得しました。これは保守的な家族や社会がある中で、驚くべきことです。彼女の夫の助けもあり、羊を販売して得た資金もあり、彼女は困難を乗り越え新しい経験をできました。彼女の住む地区で運転免許証を持っている女性は相当珍しいでしょう。

 

私たちが女性世帯を対象とした事業を行う前、女性たちは季節性の時給の仕事（温室や農地で野菜を収穫したり、苗を植えたり、収穫期後に農地をキレイにしたり、等）をするのが普通でした。その収入は不安定ですし、彼女たちは子どもたちを置いて遠くまで外出しなければなりませんでした。長時間労働で、しかし賃金は低く、身体的にも厳しい仕事でした。しかし今は、畜産に参加し、家の近くの羊小屋でほかの女性たちと仕事と収入をシェアすることができ、彼女たちにとってより安定した生活となりました。子どもたちを置いておく時間も短くなりました。

 

 

今や、女性たちは、男性と同じように、自身で稼ぐことができます。彼女たちは専門的なマーケティング研修や乳製品加工研修を受け、多くの女性たちの未来への扉は開かれました。例えば、ヤスミーンという女性は、事業を通して得た畜産の知識と経験を買われて、大きな羊農家での仕事をオファーされました。女性がそのような場所で働けるというのは、大変画期的なことです。さらに彼女はマーケティング研修で習ったことを活かし、同じグループの女性と一緒に、日用品を売るビジネスまで始めました。

 

 

このような女性を後押しするパルシックで働けることは、私にとって誇りでもあります。これからも、支援を必要とする女性たちを支え続けていきたいと思っています。

 

今日からスタートしたクラウドファンディング。最後までがんばりますので、ぜひ応援よろしくお願いします！