ガザの新型コロナウイルスの状況

こんにちはタグリードです。

今日は、ガザ地区の新型コロナウイルスの状況についてお伝えします。

 

人口200万人弱、面積は東京23区の半分程度の365平方キロメートルのガザ地区で、新型コロナウイルス感染者数は10月後半から急激に増加し、12月20日現在で33,000人を超えています。一日当たりの新規感染者数が1,000人を超える日もあります。多くの人が、新型コロナウイルスの感染予防を行っていますが、その程度は人によって様々であり、メディアが誇張しているだけだとか、そんなウイルスは存在しないと言う人もいます。

 

 

新型コロナウイルスは、経済、教育、医療など様々な側面で生活に大きな打撃を与えています。経済は2020年初めから非常に悪い状態にあり、新型コロナウイルスでさらに悪化、ロックダウンにより失業者も増えました。すべてのモスクが閉鎖され、結婚式場も閉鎖、毎週行われていた市場も閉鎖、パーティ・ワークショップ・会議等のあらゆる集会の禁止等、密を避けるためのあらゆる規制がなされています。

 

イスラエルに13年間包囲されているガザ地区では、集中治療室、医療用酸素、検査キット等の資源が非常に限られており、市中だけでなく医療従事者間の感染も広がっています。外来診療は一次停止となり、緊急性の低い手術も休止、入院患者への面会も禁止されています。

 

子どもたちも大きな影響を受けました。学校や大学は休校となり、タウジーヒ（日本の大学入学試験に近い）を控えた学年の生徒のみが学校に通っています。多くの家庭では、子どもの数は多いですが、子どもたちの学びをサポートする十分なスキルや知識も、金銭的な余裕もありません。子どもの教育に必要なコンピュータやスマホ、ネット環境も十分ではありません。女性が家事や育児を行うことが一般的なガザ社会において、このような子どもたちの教育の負担は特に女性に重くのしかかっています。

 

 

最近、内務省から、週末（金曜日と土曜日）の完全なロックダウンが発表されました。木曜日の午後6時半から日曜日の朝7時まで、地域内外のあらゆる移動が禁止されています。さらに平日夜間の部分的なロックダウンも行われています。内務省は、これらの決定を順守し、移動を最小限にしてステイホームをし、大切な人を守るために予防を徹底するよう市民に呼びかけました。移動が許可されているのは、警察、医療従事者、役所職員、電力会社、清掃業者、薬局のみです。内務省は警察官を配置することを発表し、実際、先週末のロックダウンでは、ロックダウンに違反して移動した人たちが処分され、48時間刑務所に入れられました。

 

2020年12月16日時点の発表では、過去24時間の間に2,474件のPCR検査が行われ、うち1,015件が陽性でした。その割合なんと41%！なんて高いのでしょう！

 

医療資源が限られたパレスチナにおいて、新型コロナウイルスの影響に対処できるよう、是非ともご支援をよろしくお願いします。