闘病記録【手術の日】

命をつなぐための6時間

MRI検査を終えたその日の夕方、
「このまま手術をしなければ命に関わる可能性があります」と先生から説明を受けました。

そのまま19時頃から、緊急で手術が始まりました。
右背中を切開し、脊髄の圧迫を取り除くための硬膜切開術です。
6時間以上に及ぶ手術で、私は自宅で結果を待つしかありませんでした。

深夜1時前、ようやく先生から電話がありました。

「無事に手術は成功しました。但し、ここから1週間の経過がとても大切です。
神経麻痺が上半身に進行しなければ、命の危機は乗り越えたと判断できます。」

もし当日に手術ができていなければ、命を落としていた可能性もあるとのことでした。
深夜まで治療にあたってくださった病院の皆様には、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

ICUで迎えた夜

手術を終えたイブラはICU（集中治療室）へ。
まだ麻酔の影響で眠っているとのことで、私は自宅で経過を待っていました。

面会できず不安な夜でしたが、先生の連絡や説明を頼りに、落ち着いて待つようにしました。

ICUでの数日、そして一般病棟へ

手術翌日の様子

翌日、面会に訪れると、先生から
「ICUで2〜3日静かに経過を見て、問題がなければ一般病棟に移動しましょう」と説明を受け、そこからの1週間は、毎日病院に通い、イブラの様子を確認する日々が続きました。

ガラス越しに見るイブラの姿はまだ痛々しく、体はガーゼと管に覆われていました。
それでも、私たちの姿に気づくと、普段より興奮した様子で体を動かそうとしました。
生きようとしている様子を確認でき、安堵した気持ちになりました。

進行性脊髄軟化症の恐怖

イブラが罹ったのは進行性脊髄軟化症を伴う重度椎間板ヘルニアです。
この病気は、神経が急速に壊れていく可能性があり、場合によっては1週間以内に命に関わる状態に至ることもあります。手術で命をつなぐことができても、その後の1週間は、上半身まで神経麻痺が進行しないか、常に緊張して見守る日々でした。
ICUでの安静期間、そして毎日の通院は、単なる回復の確認ではなく、命の危機を乗り越えるための重要な時間でした。

次回は、「退院の日、そして始まった介護の時間」を記録する予定です。