漱石の肉筆を後世へ!漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクト
漱石の肉筆を後世へ!漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクト

寄付総額

4,687,000

目標金額 2,000,000円

寄付者
217人
募集終了日
2019年12月26日

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2020年12月09日 11:39

漱石と狩野亨吉(資料のご紹介とシンポジウムのお知らせ)

 1916年12月9日に漱石は亡くなりました。
 12月12日の葬儀で、友人代表として弔辞を読んだのが、狩野亨吉(1865-1942)です。狩野による弔辞の下書きが、今回デジタル化された資料の中に含まれています。

 

弔辞下書き。漱石の病状回復に一縷の望みを抱いていたが、それは叶えられなかったと記されています。

 

 弔辞の内容は、以下の通りです。

 

弔詞


謹ミテ夏目金之助君ノ霊ニ告グ。
我等、君ノ交誼ヲ辱クセシモノ。君病
篤シト聞キ、君ノ家ヲ問フ。親シク親
戚門弟等ノ誠ヲ尽シテ君ニ奉侍
スルヲ見テ、尚、一縷ノ望ヲ抱キ私ニ恢
復ノ期アランコトヲ祈レリ。而シテ君、遂
ニ起タズ。命ナル哉。今ヤ儀ヲ厳ニシ、長
ヘニ君ノ形骸ト訣ルルニ當リ、恭シク
君ノ柩ノ前ニ蹲キ謹ミテ哀悼ノ
意ヲ表ス。希クハ諒セヨ。


大正五年十二月十二日 友人総代狩野亨吉

 

 葬儀前日の狩野の日記には、弔辞の写しとともに「門人総代小宮豊隆弔辞ト共ニ棺ニ入ルヽ筈ニセリ」ともあります。そんな訳で、弔辞は今日、下書きのみが伝わっているのかもしれません。

 

 漱石より2歳年上の狩野は、秋田に生まれました。
 東京帝国大学で理学と文学を修め、卒業後は、金沢の旧制四高、熊本の旧制五高で教授、33歳で旧制一高の校長、次いで京都帝国大学文科大学長(現在の京都大学文学部の前身)を務めましたが、43歳で一切の官職を退き、晩年は書画の鑑定を生業としました。

 

 狩野は稀代の蔵書家としても有名でした。
 大学生の頃から始めたといわれるコレクションは膨大なもので、そのうちの約108,000冊が、狩野の友人で東北帝国大学の初代総長であった沢柳政太郎(1865-1927)の尽力により本学にもたらされました。
 これが「江戸学の宝庫」として世界に名高い東北大学附属図書館の「狩野文庫」です。そのうち2点が、本学に収められた後に国宝に指定されたことは、狩野の確かな鑑定眼を裏付けていると言えるでしょう。

 

 さて、漱石文庫とは直接は関係のないお話ではありますが、狩野が漱石の親しい友人であったことと、デジタル・アーカイブ関連の話題ということで、ここで一つ、宣伝をさせてください。

 東北大学附属図書館では、国文学研究資料館との共同事業にて、狩野文庫のデジタル化にも取り組んでいます。
 このたび、膨大なコレクションの中から、料理分野の資料を中心に、232点のカラー画像と、マイクロフィルムから電子化した1点を公開いたしました。
 

本学のプレスリリースより

「古典の百科、江戸学の宝庫」東北大学狩野文庫をデジタル公開へ 東北大学附属図書館所蔵狩野文庫の古典籍を国文研でデジタル化
 

 これに関連して、12月20日(日)14:00より、オンラインシンポジウムを開催いたします。国文学研究資料館長のロバート キャンベル先生に、「日本古典と感染症」と題してご講演いただきます。
 どなたでもご参加いただけますので、ご興味のある方は、こちらの申込フォームより、是非お申込みください。ポスターはこちらから(PDFが開きます)

 

 

 ステイホームの週末に、キャンベル先生と一緒に、古典資料を通じて、人々が古来、感染症とどのように向き合ってきたのかについての知識を深めてみませんか?皆様のご参加をお待ちしております!

 

 感染症と言えば、最後にもう一つ、漱石文庫から資料のご紹介をいたします。

 下は、三回忌前夜の供養の席における、和辻哲郎による句作「世界かぜの心配もなき位牌かな」です。時は1918年12月、日本におけるスペイン風邪の第一次流行の真っ只中でした。

 

世界かぜの心配もなき位牌かな 哲郎

 

参考資料:
・ウェブサイト『東北大学附属図書館主要特殊文庫紹介「狩野文庫」』
http://www.library.tohoku.ac.jp/collection/collection/introduce.html#kano

・安達裕之・丹羽みさと(2015)『狩野亨吉生誕150周年記念展 : 教育者・蒐書家・鑑定人』東京大学大学院総合文化研究科・教養学部駒場博物館.

・東京朝日新聞(1918)「漱石忌」『東京朝日新聞』(12月10日, 東京 朝刊)、7面.

・山本太郎(2006)『新型インフルエンザ 世界がふるえる日』岩波書店.

 

 

 

 

 

 

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