メッセージ#3 ケアスタッフ田邉さん

たんぽぽキャットクリニックのケアスタッフ田邉です。

今まで多頭飼育崩壊や地域猫、

TNRでの多頭の避妊去勢手術対応を別施設にて実施する事はありましたが、

遠方の被災地での対応は初めてで、とてもドキドキしていました。

今回現場の被災された自宅をお借りし、

手術で使用する部屋の全面をブルーシートで囲み

最低限の衛生面を確保した中で行いました。

手術後に体温が下がらないようテントの床にホットカーペットを

敷いて暖かくしたりしていました。

我々もたくさんの物を車に詰め込んで持参していきましたが、

現地の方々やボランティアさんのご協力なしではスムーズに進められなかったと思います。

「何でも言って下さい！」と気温が低く凍える中必要な物を

別の場所に取りに走ってくださったりしていました。

我々が行った2日目には地震が来てしまい、

やむなく翌日の手術は中止となり、とても悔しい気持ちでいっぱいでしたが、

我々の命が無いと次の猫達を救えないと思い帰路につきました。

猫の現状として、想像の何十倍も避妊去勢手術をしていない頭数が多い事に驚きました。

とても果てしない。

「まだ100匹はいます。」と言う言葉に何も言葉が思い付きませんでした。

我々が今回避妊去勢手術した猫達はほんの一部でしかないのかと思うと、

まだまだ時間と人が足りない。我々がここまで来るのには時間もかかるし

それ相応の道具も必要です。

自然災害による被害が年々多くなってきていると感じます。

ニュースでは人に関して取り上げられる事が多いため学ぶ場所は多いと思いますが、

被災地の動物に関しては、まだまだ積極的に学べる場所は少ないのだなと、

今回実際に現場に立ってみて1番感じた事です。