施設出身の大学進学者向けシェアハウス　ようこそ

 

NPO法人ようこそは、児童養護施設や里親家庭を経て大学専門学校等に進学した若者を対象とした「支援付きのシェアハウス」を運営している団体です。

 

施設出身の若者の大学等への進学率は、約33％となっており、高卒者全体の進学率、約74％と比較して大きな格差がある状況です。

 

また、仮に進学したとしても、何らかの困難に直面して中退してしまうという問題あり、東京都の調査では（施設退所者の）中退率は20％というデータが出ています。

 

ようこそは、社会的養護経験者の中でも、大学等に進学した若者たちへのアフターケアが必要ではないかという課題意識を持ち、支援付きのシェアハウスを2016年4月に開設しました。

 

ハウスは入居定員5名で、家賃3万円、スタッフによる生活支援を柱にしたシェアハウスです。
健康な心身を支えるため、調理ボランティアの方が手作りで朝夕の食事を提供しています。

 

・助成事業の概要
児童養護施設や里親家庭を措置解除となった後に大学・専門学校などへ進学した若者を対象とした、生活支援をおこなうシェアハウスの運営をしています。

新型コロナウィルス感染症の影響により、スタッフのうち 3 分の 1が退職を余儀なくされ、宿泊が困難になる日が増えたため、感染者・濃厚接触者が出た場合などの緊急時に対応するスタッフや支援を継続するための住環境の確保を含めた、学生支援ハウスにおける新型コロナウィルス感染症対策の基盤整備をおこなうことに助成金を活用しました。

 

・助成事業の成果
徹底した感染予防をおこなうことで、学生・スタッフ ともに一人の感染者を出すこともなく、安全・安心な生活を 維持することができました。

また、衛生用品の購入などハード面 の整備とともに、対策マニュアルの策定や相談医を委嘱するなどソフト面でも体制整備をすることができました。

支援付きシェアハウスを安定的に運営していくために、 スタッフの確保はもっとも重要な課題です。

スタッフ確保には人件費が不可欠ですが、学生支援ハウスようこそが取り組んでいる措置解除後の若者たちや一般家庭から退避する若者たちへの支援は「制度のはざま」にあるニーズであり、補助金などの行政からの恒常的な資金援助は受けられていません。

制度のはざまに存在するニーズに対して、なんらかの制度的な支えが整備される必要があります。
 

困難を抱えた中でも、夢をあきらめずに大学・短大・専門学校等に進学する道を選択した学生たちのための居場所となり、卒業後は気軽に立ち寄れる場所になるのではないでしょうか。

 

民家をリフォームしたハウスは、感染対策をしっかりおこない、美味しい食事と語らいに溢れ、とても居心地がよさそうです。

 

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