FROM NIPPONが考える将来と伝統工芸技術の未来

残りプロジェクトも一週間を残すこととなりました。

 

今回のプロジェクトを起こす前のもっと大きな話であるFROM NIPPONとして考える伝統工芸や手仕事産業の現在と未来に関して書かせていただきたいと思います。

 

現代では、手仕事の作り手の後継者不足が深刻だとよくメディアでも注目される様になってきました。

 

もちろんそれも正しいのですが、それと同じかそれ以上に原材料を育てる/採る職人が減ってきています。

 

そして、その後継問題は相当に深刻な事態となっています。

 

例えば最近は集中豪雨が日本各地で頻発し、日本の山々の斜面でがけ崩れが頻発しています。

 

 

それもかつては日本の山々それぞれに「山守」と呼ばれる森林を管理する人々を地主が雇い彼らがきちんと管理してくれていた過去があります。

 

彼らによって森の木々はしっかりと大地に根を張り、がけ崩れを起こしづらい環境を作り出してくれていました。

 

しかし土地の継承問題や地主による管理放棄によって森は荒れ、間伐もできないので好き放題に木々は伸びていきました。

 

 

太陽光も入りにくくなってしっかりと根を生やせず土壌が弱り、最終的に良い材木が採れづらくなってしまっています。

 

今のままで行くと日本で取れる最高級の材木資源(樹齢200-300年以上)は、とんでもなく高騰し我々の手の届くものでなくなってしまうかもしれません・・・。

 

今回の『山葵山』も日本の山々と同様の問題を抱えており、白磁の原料となる陶石を採掘し陶土の製造をしていただいている職人さんの事業継承の問題も深刻です。

 

(前回投稿させていただいた記事もあわせてご覧ください)

 

私は、手仕事の作り手としての職人のみならず原材料を採掘したり山を管理したりする職人たちの皆が、きちんと適正な価格で素晴らしい仕事をすることができる環境や経済の仕組みを「プロダクトデザイン」を通して作り上げたいと思っています。

 

製品に安いことを単純に追求し続けた結果、我々は実は多くのものを失い続けてきました。

 

まだ解決できる方法が残されているうちにきちんと手を打たなければ、もう立ち戻れる場所は無くなってしまうでしょう・・・。

 

そこである程度の価格においても価値を認めていただける『手仕事品質』とお客様の生活に潤いを与えられる様な『デザイン』の融合を果たすため『FROM NIPPON』というプロジェクトを考案/実行してきた一つの形が今回のご支援のお願いになります。

 

ただ職人を「護る」だけでなく、それを「発展」させて製品を作り出し世界のスタンダードとして発信してくためのプロジェクトです。

 

それらのバックストーリーも踏まえた上でご支援を賜れますと幸いです。

 

どうぞよろしくお願いいたします。