
マンスリーサポーター総計
エイズ発症 セピア色のおじいさん
こんばんは。
お世話になっております、渡邉です。
どんな人かわからないとこのページを見た方が支援しづらいと思うので、今日から徐々に、過去に保護したにゃんこについても更新していきたいと思います。
文章は過去に書いたものになるので、読んだことがある方は重複してごめんなさい。
今日は私が保護活動や地域猫に関わるきっかけになった1匹の猫について紹介したいと思います。

私が動物愛護なんて全く知らない中学校1年生の頃、とある緑地に柴犬ゆきと一緒に散歩に行ったところ、野良猫が数匹と、おじさんが数名たばこを吸っているのを見つけました。
野良猫が可愛くて、私はゆきを待たせておじさんたちに挨拶をして野良猫を撫でました。
みんな人懐こくて、猫を触ったことがない私にも優しくしてくれました。
次の日もゆきと散歩に行くと、また猫たちとおじさんたちが居ました。
それからしばらくゆきと一緒に通ったのですが、ゆきを待たせるのが申し訳なくなり、ゆきの散歩の後に改めて1人で行くようになりました。
おじさんたちから猫の名前、見分け方、性格等と、全体の半分ほどは避妊手術されているということを教えてもらいました。
徐々に私のことを覚えてくれる猫が増えてきた頃、近くの公園に1匹の捨て猫が現れました。
ガリガリで、元は茶トラだったのでしょうか、白髪混じりの褪せたセピア色をしていました。
しばらくおじさんたちと緑地の猫にご飯をあげた後その公園に通う日々が続きました。
すごく人懐こくて、セピア色なのでセピアという名前になりました。
公園の前は交通量の多い道路で、セピアがその道路を横断している姿が何度か目撃され、ガリガリなのもあって、保護した方が良いんじゃないかと思い、家族に相談して、保護する許可をもらいました。
おじさんたちにうちで良ければ…と提案し、我が家で保護することに決めました。
抱っこされてキャリーに入れられてもうんともすんとも言いませんでした。
家に着いたらキャリーから出てきてしばらく探検した後、用意してあったトイレにおしっこをしました。
あまりにも慣れた様子から、やはり元は飼い猫だったのだろうという結論になりました。
保護した次の日、メディカルチェックとやらのためにセピアをO動物病院に連れていきました。
なにを診てもらったらいいのかさっぱりなので、先住の動物が居る家で野良猫を迎え入れる時に必要なことを全部やってください!とお願いしました。
セピアを預けてしばらくして、わたなべさーんと診察室に呼ばれました。
「去勢してある10歳程度の男の子です。まず言いたいのが、血液検査、ウイルス検査をしたところ、猫エイズというものを発症していることがわかりました。」
…と先生は仰いました。
なんにも知らない私は「はい…」と頷くしかありませんでした。
先生は続けて
「猫エイズはいわゆる不治の病です。一度感染したら治す方法は今のところありません。ウイルスを持っているだけの状態をキャリアと言い、症状が進行したら『発症』します。発症しないまま一生を終える子もいますが、この子は既に発症していて、体重はこの大きさで2kg、口の中は口内炎と歯肉炎で真っ赤っかのぐちゃぐちゃです。そうとう痛いでしょう。これだけ進行していると、全身麻酔をかけて歯を全部抜くか、2週間に1回痛み止めの注射を打つしかありません。痛み止めが効かなくなったら、歯を全部抜くしかありません。」
と仰いました。
その日は痛み止めの注射を打ってもらって、連れて帰りました。
10日ほど経った朝、事態は急変します。
セピアがいつものようにご飯を食べた瞬間、ヨダレと共にご飯をペッと吐き出し、ナン…ナン…と唸りながら顔を左右に傾けて口をくちゃくちゃさせました。
「セピア?痛いの?」と話し掛けてそっと撫でました。
ヨダレをダラダラ垂らしていました。
その日はそれ以来ご飯を口にすることはありませんでした。
翌朝、ご飯を用意したらまたいつも通り食べ、飲み込んだ後ナン…ナン…と唸りながら顔を傾けて口をくちゃくちゃさせました。
それでも一日ぶりのご飯です。
お腹はペコペコです。
唸りながら、ひと口食べる毎に顔を傾けてくちゃくちゃさせながら、口をガリガリ引っ掻く素振りを見せながら、ヨダレをダラダラ垂らしながら、必死にご飯を食べました。
唸り声は次第に悲痛に大きくなっていきます。
とうとう限界が来て、ギャー!!と絶叫しながら両手で口を挟んで引っ掻き回しました。
それから3回ほどギャー!ナンナン…ギャー!と繰り返した後、ヨダレをダラダラ垂らしながらベッドに戻ってしまいました。
その日食べたのはパウチ40gだけ。
私はようやく事の重大さがわかりました。
食べられないんだ。
このままでは死んでしまう。と。
2週間後に行くはずだった病院を早め、痛み止めを打ってもらいに行きました。
「もう効果が切れましたか…」と、先生は絶望的な目でセピアを見つめました。
それから10日でまた痛くなり病院へ。
それから2回は9日後。次は8日後…
タイムリミットが迫るように注射の効果が持続しなくなっていきました。
それでも注射を打ってから痛くなるまでの短期間にミキサーにかけてミルクと混ぜてスープ状にした子猫用のご飯を食べ、痛くなったらブロック状に切ったウェットフードを丸呑みするように食べ、なんとか少しだけ体重が増えました。
緑地のおじさんからユーグレナのサプリの差し入れをもらってご飯に混ぜました。
いよいよ注射の効果が3日ほどしかもたなくなったある日、全身麻酔をかけて歯を全部抜くことを提案されました。
もうそれしか方法はありませんでした。
麻酔のリスクを詳しく聞きました。
途中で心停止する可能性があること。
麻酔が分解されないでそのまま目が覚めない可能性があること。
後遺症が残る可能性があること。
その全部の可能性が非常に高い手術となること。
手術の同意書にサインを書き、セピアを預けました。
目が覚めたら電話します、とのこと。
その日は一日なにも手につきませんでした。
夕方頃、電話が鳴りました。
「先ほど無事に手術が終わり、無事に目が覚めました。」
その一言を聞いて膝から崩れ落ちそうになりました。
翌日、迎えに行き、連れて帰ったセピアはいつも通りベッドに収まりました。
痛み止めと抗生剤の注射のおかげでご飯を食べられたセピアに私はありったけのフードをよそって出しました。
その次の日、ご飯を食べられて満足なセピアを膝に乗せて一日まったりしていました。
お風呂入って来るからちょっと待っててね、とセピアに声をかけると自分から下りてベッドに戻りました。
それが私が見た最後のセピアの姿でした。
お風呂から上がって部屋に戻ると、セピアはベッドの下で壁の方を向いて丸まっていました。
「セピア〜」と声をかけました。
反応がありません。
「セピア?寝てるの?」と。
慌てて壁際にあるベッドをずらして上から見たところ、セピアは既に亡くなっていました。
失禁した跡がありました。
なんで?
手術したから元気になるんでしょ?
これからもっとたくさんご飯食べて、たくさん撫でて、一緒に寝て…するんでしょ?
なんで?なんで??
なんで冷たいの?
なんで動かないの?
なんで?なんで…
翌日、先生に尋ねたところ、血栓による急死だろうと言われました。
手術の後遺症の一種だそうです。
緑地のおじさんたちに最後のお別れに来てもらってから、埋葬しました。
セピア。
人懐こくて、ゴロゴロが大きくて、キャットタワーのハンモックとベッドが好きで、いつもぬくぬくで、私に猫と暮らす幸せを教えてくれた可愛い可愛い猫でした。
最後まで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございます。
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