ページ掲載画像⑧：竹内栖鳳《班猫》　詳しい解説はこちら！

竹内 栖鳳《班猫》【重要文化財】

1924（大正13）年　山種美術館蔵　

【解説】

当館のコレクションは、近代・現代日本画を中心に約1,800点を数えます。そのなかでも特に人気の高い作品の1つが《班猫》です。エメラルドグリーンの瞳や伸ばした前足が何とも愛らしく、猫好きにはたまらない日本画といえるでしょう。

竹内栖鳳（たけうち せいほう 1864-1942）は近代の京都画壇を代表する画家で、動物画を得意としたことで有名です。栖鳳は静岡の沼津でこの猫を見かけて絵心が湧き、飼い主の八百屋から譲り受けて、京都の自宅まで連れ帰りました。作品が仕上がってほどなく、猫は姿を消したといいます。

柔らかな毛並みをよく見ると、毛1本1本がごく細い線で描き込まれています。これは「毛描（けが）き」と呼ばれる古くからの技法で、筆線を活かした、日本・東洋絵画ならではの迫真的な表現となっています。