スタッフ紹介リレー①武井夏野

こんにちは。読み書き配慮の武井です。

11月になり寒暖の差があってから、木の葉が一気に色づき秋一色になりました。

ちょうど寒くなってきた日本から、しばし抜けて、わたしは南国のタイに行ってきました。
今年はWRO国際大会がタイのチェンマイで開催されました。この大会は、World Robot Olympiadという世界で約24,000チームが参加する世界最大級のロボットコンテストです。

年々参加国が増える中、今年もさらに増えて６５の国と地域が参加してのビックイベントでした。世界大会というだけに、めったにお目にかからない国の方々も集まり、どこの国の人なのだろうかと思ってしまうほど、さまざまな聞きなれない言語が飛び交っていました。

大会に対する意気込みも、大会にかける力も国によってだいぶ違うように思いました。
イランから来た方は、「ここまで来るのに3日かかったわ！」と言っていました。ということは、帰るのにも3日かかるということです。ナショナルチームとして参加している選手がほとんどでした。

大会を通して感じたことは、その名の通り“ロボットのオリンピック”として、これからもしかしたら2年後の東京オリンピックのようにいつしかスタンダードになりえるかもしれない。世界大会で求められている力は、読み書きの学力とはまったく違うことばかりだったことも驚きです。
開会式が始まると最初に画面いっぱいに映し出された言葉は「World needs innovation!」

オリジナリティーあふれるロボットを作り上げる力や、問題解決のための発想力、自分の考えを伝える力、突然の状況にも対応できる力や瞬時の判断力など、評価基準からして、世界で要求されるレベルは高度なことばかりでした。

 

読み書きがままならず、教室でひとり自分の困難さと向き合ってきた息子ですが、学ぶことをあきらめず、ただただ自分の困難さについて声をあげてきました。
当時、本人も学校の先生方も大変な思いをしてタブレットを学校で使わせてくれました。
そのおかげで、あの頃には決して思い描くことすらできなかった「景色」を今こうして見ることができています。

学校に行けずに家にこもっていた日も多かった子ですが、今大会後には、さまざまな国の子たちに囲まれて、大きな輪の中で国を超えた仲間と楽しそうに話し込む姿までありました。

読み書きへの配慮が叶えるものは、「学力」なんかにとどまらない！

この配慮事例バンク事業が目指すことは、子どもたちのエンパワメントです。

たったひとつの事例が子どもの可能性を広げます。どうか未来ある子どもたちが思い思いの夢を描けるように、ひとりの子の「配慮」を真剣に考えてあげてください。