【いよいよ本日、先発の舞台へ！】アルファ選手活動レポート①

札幌南高校野球部大学生コーチの池田琢磨です。「僕は、日本で高校野球がしたい。〜アフリカから日本高校野球の舞台へ〜」プロジェクトリーダーを務めております。

いよいよ本日、アルファ選手が先発します！

 

また、本日で札幌南高校野球部での受け入れから10日間になります。記念すべき10日間の活動をご報告させていただきます。

初日、札幌南高校野球部では、部員たちによるウェルカムパーティーが催されました。部員たちが作り上げた花道で迎えられたアルファ選手。自己紹介を行い、会場にはタンザニア国歌が響き渡りました。続く始球式、そして全員で組んだ円陣は、アルファ選手を温かく迎え入れる、一体感に満ちた瞬間となりました。

 

二日目、6時間の時差ぼけと20℃にも及ぶ気温差から疲労の色が見られたアルファ選手でしたが、強豪校との練習試合を真剣に見つめ、日本の高校野球のハイレベルなプレーに目を輝かせていました。

午後は、近隣の少年野球チームを訪問。自身よりも幼い少年たちがひたむきに白球を追いかける姿に、改めて心を打たれていた様子でした。

三日目、ついに迎えた初登板。傾斜のあるマウンドで投げるのは初めてという状況ながら、見事な投球で最初の打者を打ち取りました。しかし、その後は制球に苦しみ、フォアボールが続いて1失点。少し悔しそうな表情を見せていましたが、気持ちを切り替え午後は初めて本格的なトレーニングに挑戦しました。チームメイトと共に汗を流し、充実した時間を過ごしました。

 

四日目、アルファ選手にとって生涯初のプロ野球観戦となる一日でした。エスコンフィールドの熱気に包まれながら、目を輝かせて試合展開を追い、プレーの一つひとつを真剣に観察していました。イニング間には、「タンザニアから来ましたタオル」を掲げるアルファ選手の姿が、球場の大型ビジョンに映し出され、温かい拍手と大歓声が送られました。

五日目は、日本文化を体験する特別な日となりました。午前中は、野球部マネージャーによる書道教室が開かれ、アルファ選手は見事「野球人」という力強い文字を書き上げました。さらに、マネージャーの発案で、アルファ選手の音にちなんだ「有歩阿（あるふあ）」という粋な当て字も贈られました。

午後は、野球部OBによる空手教室に参加。「アルファ・マイサ」と刺繍された真新しい道着に身を包み、大好きなドラゴンボールの主人公・孫悟空を目指して、熱心に技を習得しようとしました。

また、この日は初めて定時制の授業と部活動にも参加させていただき、生徒たちとの交流を深める貴重な機会となりました。私もあえてサポートには入らず、一人の生徒として授業に参加したアルファ選手でしたが、定時制の生徒の皆さんもアルファ選手を温かく迎え入れてくれました。

六日目、週末に予定されている登板に向けて、連携プレーを中心とした練習が行われました。この日から、アルファ選手がタンザニアで2年間師事していたJICAの四方田さんも合流。グラウンドには、日本語、英語、そしてスワヒリ語が飛び交い、活気に満ちた初めての全体練習となりました。

夜には、四方田さんと共に北海道の伝統的な祭りであるYOSAKOIソーラン祭りへ。祭りの熱狂に身を委ねるアルファ選手は、見よう見まねで踊りのステップを踏んだり、うちわを振って楽しんでいました。さらに、演舞後の皆さんにも記念写真を撮っていただき、アルファ選手にとって忘れられない思い出の一つになったようです。

 

七日目、日本の野球への理解を深めるため、アルファ選手は北海道の独立リーグの練習を見学しました。高校野球とは異なる雰囲気と改めてレベルの高いプレーを間近で見て、多くの刺激を受けたようでした。

また、本日の初先発を前に、北海道神宮で試合の成功を祈願しました。静かで神聖な雰囲気の中、アルファ選手は真剣な表情で手を合わせ、初登板に向けて気持ちを新たにしていました。

 

八日目、九日目は練習と練習試合に励み、本日の登板に向けて最終調整を行いました。また、初めて打席に立つ機会があり、結果は三振となりましたが、投手としては初となる奪三振を記録するなど、マウンドを含め日本の環境への順応も着実に進んでいるようです。

 

そして、いよいよ本日、アルファ選手の先発試合を迎えます！皆様、次回の活動報告をどうぞご期待ください！！

 

プロジェクトリーダー/札幌南高校野球部大学生コーチ

池田琢磨