【初先発初勝利！札南野球部員の熱い想いが結実】アルファ選手活動レポート②

札幌南高校野球部大学生コーチの池田琢磨です。「僕は、日本で高校野球がしたい。〜アフリカから日本高校野球の舞台へ〜」プロジェクトリーダーを務めております。

 

今回は6月8日に行われました、アルファ選手の記念すべき初先発試合の様子を、皆様にご報告いたします。

試合当日、グラウンドには特別な熱気が立ち込めていました。この日のために準備してきたスタンドの応援団も集合させ、田畑監督からの熱いメッセージが。「チームのためにプレーした時にしか出せない力、アルファにしっかりと感じてもらおう。」さらに、夏の大会ベンチ入りが叶わなかった3年生からも、「今日は全員でアルファのためにプレーしよう。」と心強い言葉が。「Let's go」と円陣を組む選手達の表情には熱い想いがみなぎっていました。

注目の先発マウンドに上がったのは、もちろんアルファ選手。
初回、先頭打者にいきなり四球を与え、球場には一瞬、緊張が走ります。過去の登板では、2アウトを取ってからの四球がきっかけで崩れてしまう場面もありました。しかし、今日のアルファ選手は違いました。日本で学んだ牽制を堂々と初披露。その後も落ち着いたプレーで後続を断ち、初回を無失点で切り抜けました。球場からは、大きな拍手が送られました。

 

迎えた札幌南高校の攻撃。先頭バッターは、こちらももちろんアルファ選手です。過去の打席では、相手投手の速球に圧倒され、バットを振ることができませんでした。緊張の面持ちで臨んだ第1打席…なんと、ファーストスイングでセンター前に弾き返すヒット。ベンチからは歓声が上がり、チームメイトも驚きを隠せません。
その後、2アウトを取られるも、後続のヒットで、アルファ選手は激走。チームに貴重な先制点をもたらしました。

 

2回、3回にもピンチを迎えますが、札南野球部員の今日にかける想いもアルファ選手に負けてません。野手陣の度重なる好捕、捕手の盗塁阻止など、堅い守りがアルファ選手を力強く支え、見事無失点で切り抜けます。

続くアルファ選手の打席、ランナー二塁の場面。誰もがアルファ選手の打点を期待したであろうこの場面。田畑監督からアルファ選手へ送られたサインは、「バント」でした。それは、「チームのためにプレーする」という日本の高校野球の精神を、アルファ選手が身をもって体験する瞬間でした。アルファ選手にとって人生初のバント。ここまで繋いでくれた札南野球部員への想いを胸に、なんと見事一発で成功！ランナーを三塁へ送り、追加点へと繋げました。チームは3点リードで5回を迎えます。

「何とかアルファに初勝利を！」チーム全員がそう願った5回の守備。これまでアルファ選手を支えてきた守備に、わずかな綻びが生じ、2点を失い、点差は1点に。なおも満塁という緊迫した状況。ここで、内野陣がマウンドに集まり、アルファ選手を囲みます。ミスをしても励まし続けてくれる3年生の頼もしい姿が、今度はアルファ選手の心に火をつけたのでしょう。マウンドに戻ったアルファ選手が、今度はチームを救います。1点も与えられない状況で見事なピッチングを披露！5回を投げ抜き、100球4失点という内容で、勝利投手の権利を持って降板しました。

その後も三塁手として出場を続けたアルファ選手。一塁手の好カバーもあり、ランナーをアウトにする場面も。さらに、次の打席ではピッチャー強襲の内野安打を放つなど、バッティングでも見事な成長を示し、5打席4打数2安打の活躍で試合を終えました。

この試合では、ベンチメンバー全員が出場。アルファ選手と札南野球部員たちの「For the Team」という強い想いが、見事勝利という形で結実しました。
試合後には、アルファ選手の「ありがとうございました！」という力強い挨拶とともに、快く練習試合を受けてくださった相手校の選手たちと笑顔で記念撮影。

支えてくださった全ての皆様のおかげで、記念すべきアルファ選手の初先発試合を行うことができました。

アルファ選手の活動はまだまだ始まったばかりですので、引き続き応援よろしくお願いいたします！！

 

札幌南高校野球部大学生コーチ/プロジェクトリーダー

池田琢磨