平地の田んぼと比べて・・・①

私たちの田んぼがある場所は、周囲を里山に囲まれた緩やかな傾斜地です。荒川水系に属する雀川という川の水源からほど近いところです。

田んぼは傾斜に沿って緩やかな曲線を描いていて、その間を縫うようにいまどき珍しい土水路が流れています。高度差を生かしているので、灌漑設備に無駄なエネルギーを使わなくても水を引くことができます。また、土水路にはさまざまな生き物たちが生息しています。

というように、客観的に見ている分にはたいへんのどかな里の風景が広がっていて、写真を撮りに来る人もいるくらいなのですが、このようなところでお米作りをしていくことは、平地での田んぼとは比べようがない位に、さまざまな手間と面倒がかかります。

田んぼの形は台形だったり、卵型だったり、葉っぱ型だったりしていて、しかも一枚の面積が狭いところで２a（200平米）～広くても８a（800平米）です。

平地の田んぼでは真四角でしかも一枚の面積が少なくとも10a（1000平米）～40a（平米）とかいう規模です。大型の機械を使って一度に５列も6列も田植えも刈り取りもでき、まっすぐ走れるし、折り返しターンの回数も少なくてすみます。

機械がターンをするときは何も作業していませんから、ターンの時間を少なくできるというのは大きな違いなのです。

（つづく）