NGOのスラムの子どもの施設の周りの環境と現状

フィリピン・セブ島、それは海のきれいなリゾートとして世界的に有名な観光地です。

しかし、同時に、多くのスラムが存在し、貧困層の人々が厳しい生活苦にあえいでいます。

 

そんなセブシティの外れの地域、貧困層がひしめくスラムの真ん中に私たちのNGOの現地事務所があります。

ここで、スラムの人々と共に手を繋ぎ合い、一緒に協力しあい、草の根の支援活動をしています。

 

ここは、もちろん観光客が来るような場所ではありません。

そこらの屋外でふつうにギャンブルをやってますし、麻薬や銃もあります。

人々は屋外の井戸を生活水として暮らし、トイレも含めた生活排水が流れる側溝は、スコールの度にあふれ、 それはわけのわからない感染症の原因にもなります。

また、デング熱や破傷風で亡くなる方も多くいます。

教育環境の悪さによる知識不足、また貧困により、病気の予防や治療もままならず、病院にいくお金もありません。

特に乳幼児の死亡率が高くなっています。

 

もちろん新型コロナウィルスにおいても同様です。フィリピンでは無料では入院治療はできません。感染者の発生した家を外から板を打ち付け封鎖し、隔離します。わずかな食料を近所の人が持っていきます。また、その地域全体も、行動制限を課せられ、ロックダウンとなります。一家の稼ぎ手が重病になることは、家族の命さえ奪う悲惨な状況を生み出します。

 

治安も決して良くはなく、前に、街からタクシーに乗って帰ってきたら、観光客だと思ったのか、 「こんなとこに何をしにいくんだ？」「ここから先は危険だから行かない方がいいぞ」 そう言われてしまうような地域です。

 

しかし、そこには、明るくあたたかく、気のいい人々が暮らしています。

もう２０年以上、ここで活動する自分にとって、みな、家族のようです。

私たちは、そんな家族のようなスラムの人々の命を守るため、そして自立支援のため、なんとか今の厳しい環境の中で生き延びようとしている、人々の生活を支えようと支援をしてます。

 

でも、それにもやっぱり限界があります。

 

今できるせいいっぱいの支援をしているつもりです。

 

人々の生活に、またいつもの笑顔が戻るよう、なんとかこの危機が落ち着くまで、みんなを支え続けたいです。

 

「もうお金がないよ」

「明日のお米がないよ」

「赤ちゃんのミルクがもうなくて、この子はいつも泣いてる」

「もう限界よ」

「私達はこのままどうすればいいの？」

 

そんな人々の訴えが毎日届きます。

 

「ママに来年はもう学校に行っちゃいけないって言われたの」

 

と、泣きながらメッセージ（フィリピンではfacebookのテキストメッセージが無料で使えるのです）をくれる子どもたち。

 

そのすべてをなんとかしてあげたいけど、 そんな力は自分にはありません。

悲嘆に暮れる人々の苦しみを目の当たりしながら、自分の無力さに途方にくれるばかりです。

 

それでも、 いつか希望が見える日が来ることを信じて、 人々が笑顔で毎日を送れるように、 子どもたちがその夢をあきらめてしまわないように、スラムの人々と力を合わせて、励まし合って、助け合って、これからも、共に手をとりあい歩んでいきます。

 

今回のクラウドファンディングにより、子どもたちに文房具の支援をします。

 

それはもちろん物理的な家計の助けになりますし、新しい文房具をもらった子どもたちや、家族の、学業へのモチベーションを上げます。

 

貧困のためあきらめけかていた学校の継続を、もう一度がんばってみよう、と思う大きなきっかけになります。

 

皆さま、貧困に苦しみ、日々の食糧を手に入れることが困難な、そんなスラムの子どもたちの、未来への可能性をつないでいくために、ぜひともご支援・ご協力をお願い致します。