20年後の君へ

お父さんは今、病院で働いています。

そこには「がん」という病気をもった患者さんがいます。

そして、たくさんの仲間がいてその病気を治そう、患者さんの体を楽にして差し上げよう、気持ちを癒してあげようと毎日頑張っています。

 

そんなお父さんが病院でお仕事しながら勉強しているところがあります。それは”J-TOP”という名前の素敵なところです。

ここではたくさんのお友達と一緒に医療のことや社会のことを教えてもらったり、自分たちで教えあったりしています。

 

もし、お父さんが「がん」になったら。

だんだんと出来ることが増えてきた2歳の君を見ていると、お父さんが初めてJ-TOPに来た13年前を思い出します。

あの時、J-TOPを作ってくれた方、引っ張ってくれた方は、こういう目で僕を見てくれていたのかなと思います。恥ずかしながら、君という子をもって初めてその気持ちに気づきました。ありがたいね。

 

J-TOPの人たちは、まだ子供みたいなお父さんをたくさん支えてくれたんだよ。色々なワガママを言ったり、「こらっ」って注意されたこともあったし、時にはちょっと距離をおいたりしたこともありました。

でも何だかんだ言ってやっぱり帰ってきてしまう、そういう場所がJ-TOPなんだなと思っています。

 

20年前にJ-TOPを作ってくれた全員のことは、正直お父さんはよく知りません。上野先生の他にもたくさんの方が協力されたんだろうと思います。多くの出会いがあり、別れもありました。ただ、その情熱はしっかりとJ-TOPの人たちに引き継がれています。

お父さんはね、君が大人になって社会に出る時に、このJ-TOPが多くの人に影響を与えていると思っているよ。未来はどんな社会になっているか分からない。きっとJ-TOPも形を変えていると思います。

ただ、もし君が医療業界を目指すなら、そのどこかでJ-TOPにいたお父さんを感じて欲しい。お父さんのお友達のすごい人たちを知って欲しいと思います。もちろん医療業界に直接関わらなくても、きっとJ-TOPは何かの形で社会の役に立っていると思います。それを感じてくれたら嬉しいな。

 

それでね、

もし、お父さんががんになったら、治すのを手伝ってくれよ。

もし、ママががんになったら一緒に治してあげような。

お父さんはそんな気持ちで今お手紙を書いています。

 

お父さんが受けた恩を返すこととは、君の世代へバトンを渡すことだと思っています。

今の頑張りがいつか君の将来を明るくするように、今を生きよう。

 

ありがとう。