ドクタージェット、存続の危機|全国の小さな命を、救い続けるために
ドクタージェット、存続の危機|全国の小さな命を、救い続けるために 2枚目
ドクタージェット、存続の危機|全国の小さな命を、救い続けるために 3枚目
ドクタージェット、存続の危機|全国の小さな命を、救い続けるために 4枚目
ドクタージェット、存続の危機|全国の小さな命を、救い続けるために 5枚目
ドクタージェット、存続の危機|全国の小さな命を、救い続けるために 6枚目
ドクタージェット、存続の危機|全国の小さな命を、救い続けるために
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ドクタージェット、存続の危機|全国の小さな命を、救い続けるために 3枚目
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ドクタージェット、存続の危機|全国の小さな命を、救い続けるために 6枚目

寄付総額

20,921,000

目標金額 100,000,000円

寄付者
1,013人
募集終了日
2025年8月18日

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2025年08月07日 12:43

小さないのちを守るために——7月27日開催 市民講座より② 〜森本先生のお話〜

 

ご寄付をお寄せくださっている皆さま、いつもあたたかいご支援をありがとうございます。

 

現在までに、679人を超える方々からご支援をいただき、寄付総額は1277万円を突破いたしました。皆さまの変わらぬご支援に、心より感謝申し上げます。

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

本日も、先日開催された講演会の様子をお届けいたします。現場の声や取り組みの一端を、ぜひご覧ください。

 

スピーカーは東京都立小児総合医療センター 救命・集中治療部 森本 健司先生です。森本先生には、これまで数々のドクタージェット搬送にてご協力をいただきました。

 

 

■ PICUとは何か


PICUとは「小児集中治療室」のことです。NICU(新生児集中治療室)と混同されがちですが、NICUが生まれたばかりの、多くは病気や障害を持たない赤ちゃんを対象とするのに対し、PICUは重症な病気や外傷で命が危ぶまれている乳幼児から18歳未満の子どもたちを診ています。

 

PICUに運ばれてくる患者さんは、大きく分けて2種類。一つは、心臓や気管、脳などの大きな手術を受けた後の回復を待つ子どもたち。もう一つは、生まれつきの病気、肺炎や交通事故など、突然重症になってしまった救急患者さんです。

 

PICUでは、医師や看護師だけでなく、薬剤師、理学療法士、栄養士、臨床工学技士など、さまざまな専門職がチームとなって働きます。人工呼吸器やECMO(人工心肺装置)といった多くの医療機器を扱うための知識と技術が求められます。特にECMOは「究極の救命措置」とも呼ばれますが、これを扱うにはチームとして大きなトレーニングと、治療経験の継続が必要です。

 

こうした機器や技術を用いる機会は都市部のPICUでも少なく、地方の病院ではさらに機会が限られています。少子化も拍車をかけ、日本の小児医療はどうしても地域間で経験の差が生まれてしまう構造になっています。限られた、経験の豊富なPICUにいかに重症な子どもを連れてくるか、それが大きな課題です。

 

 

■ 医師として、私が最も大切にしていること


私が医師として最も大切にしている信条は「自分が何をすればいいかわからない状態で、患者を亡くすことだけは許されない」ということです。

 

これは、目の前の患者さんだけでなく、遠くにいる患者さんに対しても同じです。 救えるはずの命を「どうやって自分の病院に連れてくるか分からない」という理由で諦めることは、決してあってはならない。目の前にいるお子さんだけでなく、治療を必要とする全てのお子さんに、いかに高度な医療を届けるか。それが、PICUというコンセプトの広義な捉え方だと思います。

 

もし、私たちがギブアップしてしまったら、その患者さんは亡くなってしまう。 数年前に行った学会発表では、日本の小児医療において、助けられるはずの命が失われているという事実が明らかになりました。東京だけでも5年間で20人、日本全体では5年間で200人もの子どもたちが、救えるはずなのに救えていないと推計されます。この現実が、私を突き動かす原動力です。

 

 

■ これまでの長距離搬送の実績と苦労


ドクタージェットがない時代、私は重症患者を長距離搬送するために、さまざまな手段を尽くしてきました。

 

ある先天性気管狭窄症の患者さんを、手術後に東京から愛知まで新幹線で搬送したことがありました。新幹線は時間が正確な反面、停車時間はわずか1分。この間にストレッチャーを乗り降りさせなければならず、非常に緊張したのを覚えています。そのために入念なシミュレーションを行いましたが、355kmを5時間かけて搬送するのは、肉体的にも精神的にも大きな負担でした。

 

また、ECMOを装着した患者さんを大阪まで救急車で搬送したこともあります。500kmの道のりを10時間かけて移動する大がかりな搬送で、医師や看護師、臨床工学技士、外科医からなる8人のチームと、それを搬送する2台の車両を組みました。休憩や食事もままならない状況で、電源や酸素の確保にも神経を使い、緊急時に対応できる搬送経路上の病院に事前に連絡を取る必要がありました。

 

こうした搬送は、私たち医療者にとっては貴重な経験となりますが、反面、新幹線のチケット予約なども全て医師が行う必要があり、治療という本業を圧迫してしまうというストレスは非常に大きいものとなります。

 

また、長時間の移動は患者さんやご家族にとっても大きな負担です。また、万が一の事故のリスクも常につきまといます。この経験から、より安全で迅速な搬送手段が不可欠だと痛感しました。

 

 

ドクタージェットがなぜ必要なのか


ドクタージェットが必要な理由は、日本の医療体制が抱える根本的な課題にあります。ドクタージェットの先進国であるオーストラリアは、国土が日本の20倍と広大であるにもかかわらず、小児集中治療室はわずか11箇所しかありません。これは、各施設で多くの症例を経験し、チームのスキルを高めるために、患者をハイクオリティな医療を提供できる場所に集約するという国策があるからです。

 

一方、日本では38のPICUがありますが、救急対応可能なPICUはその半分の30です。地方では患者数が少ないため、各施設、各医療者が重症患者治療の十分な経験を積むことが難しいのが現状です。ECMOのような高度な治療を日常的に行う機会がない施設も多く、こうした状況では、いざというときに対応できません。そのため、各PICUや各地の小児科が連携しながら、それぞれの症状に合わせた専門性の高い病院に患者さんを集約させることが必要になります。

 

ドクタージェットは、この地域格差を解消するために不可欠な手段です。

 

迅速かつ安全に患者さんをより専門的な治療ができる施設まで搬送することで、どこで生まれても、等しく質の高い医療を受ける機会を子どもたちに提供できます。これは単なる移動手段ではなく、日本の小児医療の質を高め、救える命を一つでも増やすための希望なのです。

 

 

クラウドファンディングの残り期間もわずかです。その数日間で、直近に救える子どもたちの数が決まります。しかし、1人でも多くの子どもたちを救うことが、国や社会に実績を示し、将来的により多くの子どもたちを救うことにつながります。希望の翼を未来につなぐため、みなさまのご協力が必要です。

 

ご寄付をいただきました皆さまも、ページ上にございますSNSのシェアボタンなどから、ぜひ情報拡散いただけますと幸いです。

残りの日々を、皆さまとともに乗り越えていきたいと思います。

 

ギフト

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