能登に幸あれ

2025年が、北陸、とりわけ能登にとりまして、安穏なひととき、やすらぎの1年であらんことを、先ずは心より祈念申し上げます。

石川県民として、能登は多くの方との繋がりがあり、能登からも主に日本海側の様々な地域に多くのご縁を持つ事から、常に一体感をもって情報や日常を共有するところです。

小松から珠洲までとなると、時間で京都や名古屋よりも遠くなってしまいますが、逆に同心円状で珠洲を起点にしますと、富山や佐渡も、小松と余り距離で変わりはありません。

かつては佐渡へも定期航路があった珠洲ですから、以前の方が陸路の隔たりを海路で補い且つ豊かな地域だったと感じます。

あらためてサシ481-48、食堂車を小松に遺す事を、能登半島地震からの復興の一助と申し上げて、皆様からのご支援をお願い申し上げます。

現在の所有者様から、ちょうど1年前の震災直後にお電話を頂いた事を、つい昨日の事のように鮮明に覚えています。

「時間はかかると思う、けれど、諦めてしまえばそこで終わってしまう」とご進言を賜り、今に至ります。

現在のご支援は、第一目標金額に対し、残り50%台ですから、半分まで来ました！

想いを無駄にしたくありません！

特急白鳥にはかつて、北海道用の485系1500番代車が使用されていました。

実際に、北海道での使用歴より長い期間使われていて、製造当初は白鳥専用車にもなっていた程です。

現在唯一、クハ481-1508が新津鉄道資料館に保存されています。

昨年の8月、同館を訪れて館長さん、副館長さんには大変お世話になりました。

同じ日本海側の地域で、同じ時代の特急電車を保存する施設同士、共に後世へ車両保存の研鑽に努められればと思っています。

その485系は北海道や東北だけでなく、南は鹿児島県、国鉄ＪＲ電化区間最南端の西鹿児島（現在の鹿児島中央）まで網羅していた稀有な特急型式です。（非電化区間用も合わせれば、キハ183系がありますが、秋田以南の本州には運行事例はありません）

その中間車で残っている原形車両は、大宮の鉄道博物館のモハ484-61と、今回のサシ481-48しかありません。

どうかサシ481-48にとっても安住の地になれるよう、整備に至る道を付けて頂きたいと念じております。

485系1500番代は運行開始当初、「さちかぜ」を名乗る予定でした。

既に711系急行として同じ名前の列車があったため、その格上げを想定しての事でした。

いわば完全に、幻の特急列車となってしまったのです。

この、さちかぜという「やまとことば」を、どうか大切に、忘れずに、能登に穏やかに向けてあげてほしいです。

さちかぜは「幸風」と書きます。

今年1年の願いです。