5年で生息数が1/5になった島根のアユが生きれる魚道を作ります!
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支援総額

1,043,000

目標金額 1,000,000円

支援者
102人
募集終了日
2016年1月29日

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2015年12月11日 20:51

アユと郷愁 (8)

ー 私の想い その8 ー

 

 アユと郷愁(4)で書いた囲炉裏の上に干してある竹串に刺さった茶色から黒のグラデーションのアユ。いつか一斉に無くなっていることがある。「どうしたんだろう?」と思っていても、いつの間にか忘れてしまうような出来事だ。数年が過ぎたある日、その謎が判明した。

 

 学校から帰った私は炊事場か、囲炉裏の部屋を覗く。炊事場は母か祖母、囲炉裏端は祖父の姿を求めてである。今日に限って騒がしい炊事場を尻目に、囲炉端を覗いて見た。昼寝をしているかと思った祖父の姿はそこにはない。しようがなく炊事場に行こうとすると、2、3人がやってきた。母達だ。「泰子、帰ってたの?ちょっと手伝え。」しまった。見つかってしまった。帰る早々、使われてしまう羽目になった。母がいる安心感よりもドジった自分の間の悪さを恨めしく思う。

 

 大人が吊るして籠に刺さった串刺しのアユを下して板の間に運ぶ。私はその籠から一本一本串を抜き取る役目だ。その次はばあちゃん。串から形が崩れないようにアユを丁寧に抜き取り鍋に入れる。甘露煮にしてお世話になった家に歳暮代わりに持って行くらしい。そういえば、父が往診に行く時、新聞紙に包まれたそれを手渡されていた。でも、長い間燻されたそれは灰にもまみれている。そんなことは構わないらしい。なのに、私が串から抜こうとすると叱られる。形が崩れると価値がなくなるという。

 

 手持無沙汰になった私は母に甘露煮の作り方を聞く。ここぞとばかりに喋り始めた母の話がとまらない。「何日か水煮にして砂糖、醤油を入れる。形が崩れないようにするためには甘露飴を入れると良い。それも量的には…。」までは良いが、段々と話がそれる。「料理の基本はさ・し・す・せ・そ、さは砂糖…。」と始まると手が付けられなくなる。一通り聞き流し、タイミングを見計らって「しっこ!」と大声を出し逃げだす。便所ではなく、みんなが待っている秘密の基地につく間、アユたちが一斉に無くなるのはこれだったんだ、と合点する。

 

(続く)

リターン

3,000


☆魚道の石に芳名プラン☆

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■ サンクスメール
■ 魚道の石に芳名

申込数
51
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2016年2月

10,000


☆大畑蘭の似顔絵プラン☆

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■ サンクスメール
■ 魚道の石に芳名
■ 大畑蘭による似顔絵(データ)

申込数
24
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2016年2月

3,000


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2016年2月

10,000


☆大畑蘭の似顔絵プラン☆

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2016年2月
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