安全対策で行動がよりリスキーに⁉下

皆様こんにちは。中井です。

いつも応援ありがとうございます。

 

 

今回は、前回「安全対策で行動がよりリスキーに⁉上」の続き

子どもにも「リスク補償」行動はあるのか？についてご説明します。

 

 

７から１２歳の子ども９９名を対象にした研究があります（※）。

この研究では、自転車やローラーブレード（インラインスケート）に乗って、

下り勾配20度で台から駆け下りる際に、７段階の高さのうち、

「最も面白そうだ」と感じる高さを子どもたちに回答してもらいました。

 

 

 

 

その際、ヘルメットや肘当て、膝当てなどの

 

・防具を着用する条件　

・防具を着用しない条件

 

に分けました。

その結果、子どもたちは防具を着用した場合、着用しない場合に比べて、より高い台を選択しました。

このことから、この年代の子どもにおいてもリスク補償が生じることが示されました。

 

 

 

 

つまり、大人と同様、安全な環境になると、それ以前よりリスキーな行動をとる子どももいる、ということです。

 

 

以上の事から、

 

 

子どもの事故を予防するために、

子どもの大事故や命に関わる危険な環境を改善することは大前提として、

その上で子どもを監視したり、注意をしながら、思いきり冒険させることが大切だと考えます。

 

 

子どもはそこからさらに高度な動きができるようになり、様々な感覚も培われ、成長します。

また、子どもの危険を予知する力、危険を避ける力をはぐくむ、

心理面への指導も必要であると言えるでしょう。

 

 

 

※Lasenby-Lessard J., Morrongiello B.A.: Understanding risk compensation in children: Experience with the activity and level of sensation seeking play a role. Acci. Anal. Prev.:

43,1341-1347,2011.