地域の宝をみんなで守る|文化財防災・救援プロジェクト2025
地域の宝をみんなで守る|文化財防災・救援プロジェクト2025

寄付総額

7,626,000

目標金額 5,000,000円

寄付者
327人
募集終了日
2025年6月9日

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2025年03月28日 12:00

コラム① 福島第1原発周辺地域での活動 ―初期の対応―

このたびのクラウドファンディングにお力添え賜りました皆様に心よりお礼申し上げます。

 

ここでは、東日本大震災による原発事故の影響が特に大きかった福島県浜通り地域の初期対応の一端をおはなしいたします。

 

 

2011年3月11日に発災した東日本大震災における福島第1原子力発電所(福島県双葉郡双葉町・大熊町、以下「福島第1原発」)の事故により、日常生活はもちろん、域内への立ち入りすら制限された地域の皆さんが被ったご苦労は、他の被災地のご苦労とも異なる面が多々ありました。

 

4月には福島第1原発から20km圏内は、災害対策基本法による「警戒区域」とされ、同法63条にもとづき、強制退去を命じられる区域となりました。

 

当然のおはなしですが、この地域にも豊かな自然と文化、文化財が息づいていました。

 

福島第1原発から最も近い国指定文化財は、双葉町新山字清戸迫に所在する史跡清戸迫(きよとさく)横穴。原発からおよそ3km北西に立地しています。

 

清戸迫横穴(76号)は玄室の奥壁に壁画をもつ装飾古墳(横穴墓)で、被災前にはその魅力的な壁画がとてもよい状態で保存・公開されてきました。

 

東日本大震災により被災した文化財への対応(現状確認等)は、発災後まもなく、大半の被災地では2011年3月、4月頃には開始されていましたが、原発事故の影響を受け、この地域ではそれが大幅に遅れました。

 

この地域ではじめて本格的に被災文化財の現状確認等を実施できたのが清戸迫横穴(76号)でした。

 

初動対応は2011年12月8日、2012年1月17日の二回。

 

双葉町教育委員会の吉野高光氏、福島県教育委員会の荒木隆氏、文化庁の筆者(所属はいずれも当時)の三名で、清戸迫横穴の現状確認と必要な対応をすることを目的に、双葉町長の立ち入り許可を頂き、域内での活動をいたしました。

 

国が管理する原発事故の対応拠点であった「Jヴィレッジ」(福島県双葉郡楢葉町・広野町、1996年にサッカーのナショナルトレーニングセンターとして設置された施設を転用)で防護服やマスク等の装備をし、以降は移動の車中含め空間線量等を計測しながら清戸迫横穴に向かいました。

 

清戸迫横穴の隣地には町立双葉南小学校が所在します。震災の日は学年末の頃でした。児童の皆さんは、玄関に荷物を置いたまま、避難先に向かったのです。

 

本来は自宅に持ち帰り、ご家族に披露される予定だったろう学年中に作られた絵や習字等がたくさん入れられたカバンやランドセルが、被災後9か月経ってもまだすべて置き去りにされており、心が痛みました。

 

これらはこのあと数年間、変わらずここに置かれていました。

 

幸い、清戸迫横穴(76号)の壁画は、被災後もよい状態で遺されていました。

 

キャプ
被災後に確認できた清戸迫横穴(76号)壁画の状況(2012年1月) 文化庁撮影

 

壁画だけではなく横穴、横穴群の無事も確認できました。

 

しかし、横穴周辺は森林です。横穴の外から内部に木根等が侵入し、それらが壁画周辺に及ぶこともあることは、従前より知られていましたが、被災前は町の吉野氏らが折々に確認し、必要に応じて除去等することで良好に維持されてきました。

 

被災後はこの日常の管理ができなくなったのです。史跡は不動産。他所に移設することはできず、現在も厳しい状況が続いています。

 

当時、域内での活動が許されるのは3時間(移動時間を含む)。清戸迫横穴の確認や対応がひと段落し、残された時間を利用して可能な範囲で双葉町歴史民俗資料館の展示・収蔵資料への対応もいたしました。

 

被災後9か月放置されたままの館内では、余震等により二次被害が出ないような対処や、カビ等の生物被害が出た資料を別置し被害が拡大しないようにする等の作業をいたしました。

 

双葉町歴史民俗資料館における展示資料への対応(2011年12月) 文化庁撮影
双葉町歴史民俗資料館における展示資料への対応(2011年12月) 文化庁撮影

 

双葉町歴史民俗資料館を含めこの地域の文化財レスキュー事業(被災した動産文化財の救出活動)が開始されたのは、放射線対策、活動人員の選定、一時保管施設の準備等、諸々の準備が整った2012年8月でした。

 

双葉町域よりレスキューされた資料は、現在も県内(中通り地域)の一時保管施設で大切に保存・管理されつつ、地元に戻される日を待っています。

 

引き続きのお力添え方、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

建石徹(文化財防災センター副センター長)

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