ひょっとしたら、「暗い」は人を優しくするのかもしれない【ダイアログ・イン・ザ・ダーク感想紹介#1】

ダイアログ・イン・ザ・ダークの暗闇には、そこに入る際の世界共通のルールがあります。

ひとつは、絶対に１人では入らないこと。

そして、視覚障害者がアテンドをすること。

純度100%、漆黒の暗闇の中に入ったとき、私たちは想像以上に動けなくなってしまいます。

その先に、本当に道はあるのだろうか？

ぶつかっちゃったらどうしよう？

もし、迷子になっちゃったら？

だからこそ、一緒に困ったり助け合ったりすることのできる仲間と一緒に、そして漆黒の暗闇のプロフェッショナルである視覚障害者と一緒に、暗闇を楽しみます。

「ここに木があるから気をつけてね！」

「私がいる場所に椅子があるよ〜」

「はぐれている人いない？こっちにみんないるよ！」

そんな温かい声がけをしあいながら過ごしていると、たった90分前は全くの他人だった人々が、まるで旧友だったかのように仲良くなって明るい世界に戻ってくるのです。

暗闇は「対等な対話を促すための装置」。

平和のためのヒントはこの暗闇のなかでの対話にあると、信じてやまない理由はここにあるのです。