「宿とコージ」改修プランが見えてきました。

本日は施工チームが現場入り。

残った家財がほぼ運び出された空間で、図面を見ながら実寸を再確認するなど工事計画に向けた調査を行いました。

「どこもいい材を使ってるぁ…」

 大工さんを唸らせるのは、庭を眺められる広い和室。この界隈のお宅で見かける間取りで、間口の狭い住宅の奥に設けられ、客間機能を担う奥座敷です。天井や鴨居は伝統的な工法で、柾目（まさめ）板が贅沢に使われており、建材一つに家主の来客への心遣いが感じられます。

いわゆるTHE・古民家では無いものの、元の佇まいを留めつつ、３間ある和室を２部屋の客室（ここでは仮にA・B）に作り変えます。

一間分の客室Aは、広い縁側を贅沢に占有できる間取りに。各部屋4～5名でもゆったりと滞在できる広さです。

客室AとBの間には仕切り壁を設けることになるため、光を工夫して採り込みたいところ。この点についてはコマドさんより、排煙機能を兼ねた、大胆な採光アイディアをいただいています！

いっぽう、広々とした台所・居間。ゲストがダイニングとして、またはミーティング・ワークスペースとして利用できる、シェアキッチンを備えたラウンジ（共用）に作り変えます。

一棟貸しでわいわいするもよし、～20名程度のイベントにも良きサイズ！

部屋では気兼ねなく過ごせるうえで、ラウンジではゆるやかに交流できる構成です。

そして玄関口。現在はこちらが正面ですが、手入れされた庭を眺めながら裏手口から宿に入る動線も魅力的。今の正面は、ゲストが朝市や五城目の日常を訪ねる際の「旅の勝手口」という考え方もできます。

どちらを正面に？むしろ両A面に？など贅沢に悩んでいます。

なお玄関に付随する「風除室」。雪国では見慣れたファサードながら（コンビニの正面にも付いています）、初めて訪れる方にはやはり珍しいもの。このギャップを活かして、これを「ガラスで囲まれたキューブ空間」と考えて、アート作品の展示スペースとしても使えるかもしれないという案が出ています。

改修計画ではアートが重要なキーワードとなっており、次回ふれてみたいと思います。