
支援総額
目標金額 1,070,000円
- 支援者
- 192人
- 募集終了日
- 2022年4月28日
堀 有伸先生から応援コメントをいただきました!
ほりメンタルクリニック院長の堀 有伸先生から、「Fukushima→46 プロジェクト」への応援コメントをいただきました!

堀先生の災害関連死シンポジウムへの寄稿文はこちらです。
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東日本大震災・原発事故が地域住民のメンタルヘルスに与えた影響について
精神科医の堀有伸と申します。
私は東京の出身ですが、東日本大震災・原発事故のあった翌年の2012年に福島県南相馬市に移住し、3年間、震災で休業になった精神科病院を再開するお手伝いをしました。その後、2016年にやはり南相馬市に、ほりメンタルクリニックを開業し本日に至っています。坪倉先生・渡辺先生らが開催されている災害関連死の勉強会にも参加させていただいておりました。今回、「災害関連死の本質」のシンポジウムの記録製作にあたり、精神科医として活動してきて感じたことをいくつか報告させていただきます。
最初の3年間、精神科の入院病棟の勤務で一番痛切に感じたのは、認知症を悪化させ、徘徊や興奮などの行動異常が強まり、緊急の入院が必要となった事例の多さでした。高齢者は子どもや障害者と並んで、災害の負の影響を受けやすい人々です。移住を余儀なくされ、慣れ親しんだ人間関係・毎日の仕事から引き離され、放射線のリスクに対する考え方の違いから子どもや孫たちと別に暮らさざるを得なくなった高齢者が多数いました。そのような人々が単身、あるいは高齢者夫婦2人で仮設住宅などに暮らしていたのですが、1年、2年、3年と経過するなかで次第にさまざまな能力が弱っていきます。そのなかで認知症を悪化させ、入院が必要となる方々の対応をいたしました。ある高齢者が入院となった理由は「徘徊」だったのですが、その徘徊の内容は、原発から20㎞圏内に暮らしていた方が、夜中に仮設住宅から元の家を探して歩いて行ってしまうという内容でした。高齢者が示した興奮などのなかに、物言えぬ方々の恨みや怒り・無念さが現れているように感じたこともしばしばでした。
定型的なPTSDは、津波を間近に体験した人々に多かったようです。実際に車を運転して何とか逃げ切った、高い所に逃れたがギリギリまで水位が迫ってきて何とか助かった、実際に巻き込まれて気を失うなどしたが偶然にも助かったといった体験をされています。PTSDになると、再体験症状といって夢やフラッシュバックの形で恐ろしい記憶が不意によみがえる症状が何年も続きます。ある方は、自分も津波の恐怖を体験し、自分が原因で友人が津波に巻き込まれてしまったと考えていました。その方の悪夢の内容は、「夜中に海から手が伸びてきて、自分をそこに引きずり込もうとしていく」というものでした。
津波の他に、震災直後に被害に遭われたご遺体の捜索に関わられた方々も、その影響が大きく、深刻なPTSDの症状を呈した方もおられました。そこに原発事故の影響が加わると、事態が複雑になります。地震・津波の直後に勇敢に地域の復旧のために尽力した方が、原発事故が起きた際に家族のことを考えて一時的に避難をしたとします。そのような方が、地元に戻った後に、周囲から「あの人はあの時に逃げた」と責められたり、自分で自分のことを「地域を見捨てた」と責めたりします。そのような方の中で、深刻な転帰にいたってしまった方のことも知っています。
震災時の影響のみならず、破壊されてしまった地域社会を再建するために、残った人々は奮闘・努力をしなければなりませんでした。除染作業や賠償などに多額の費用が発生したのは、皆様が周知の通りです。言い過ぎかもしれませんが、地域の対応能力を超えていた面がありました。関係者全体が大きな傷を背負った中で、動ける人はギリギリの中で動いていました。そのような状況の中で、お互いに傷つけあうような言動が生じたこともありました。安らかな日常生活は、なかなか取り戻されませんでした。
現在の状況が厳しく、それへの対応を優先しなければならない状況では人は過去のことを振り返る余裕は持てません。そして、辛い記憶のことは忘れていたいという思いが働きます。2012年に私が南相馬市に移住した直後に、20㎞圏内の住民の方々の一時帰宅が許可されました。その中で、南相馬市小高区と浪江町の住民の方で、自宅に一時帰宅して荒れてしまった故郷を見て、その場で自死を選ばれた方が2名おられたことには、大変驚き、悲しく、狼狽しました。周囲の人々と相談し、自死予防など地域のメンタルヘルスのために活動するNPO法人を立ち上げ、数年間活動をいたしました。
このように東日本大震災・原発事故が地域の方々のメンタルヘルスに与えた負の影響は甚大です。ここで触れただけでも多くのテーマがありますが、子どもの問題や避難した方々のメンタルヘルスなど、他にも重要なものがいくつも浮かびあがります。しかしそれらが現在進行形で、当事者たちも触れたくないと思っていることも少なくありません。被災地に精神医学の研究者が少ないという事情もあります。これらの問題を明確にしていくのは大切な課題であるのと同時に、状況の困難さを思います。できることを行っていきたいと考えています。
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みなさんのご支援のおかげで、これまでで332万5千円に到達しました。
第3目標である「ひろげる」では、次の2つを目指します。
❶. これまでの福島での活動と教訓をまとめた「東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所後『10年間のあゆみ』」を全国1,741市町村に配ること
❷. 防災EXPOへの出展等を通し、災害対策の知見を今後さらに広めること
プロジェクト終了まで、残り2週間と少しです。
どうか変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。
リターン
5,000円+システム利用料
5,000円のご支援
・お礼のメール
ご支援いただいたことへの感謝メールをお送りします。
- 申込数
- 27
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年9月
10,000円+システム利用料
10,000円のご支援
・お礼のメール
・記録集のご送付
ご支援いただいたことへの感謝メールに加え、ご自宅まで本記録集を送付いたします。
- 申込数
- 109
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年9月
5,000円+システム利用料
5,000円のご支援
・お礼のメール
ご支援いただいたことへの感謝メールをお送りします。
- 申込数
- 27
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年9月
10,000円+システム利用料
10,000円のご支援
・お礼のメール
・記録集のご送付
ご支援いただいたことへの感謝メールに加え、ご自宅まで本記録集を送付いたします。
- 申込数
- 109
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年9月

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