＜Episode2＞外国につながりのある子供の受け入れ

日本国内の子供の転入学に関しては，自治体の住民票の受け入れが済み次第，学校での受け入れ手続きを行います。在籍学年の学習内容は学習指導要領に基づいているため，日本国内の公立小学校であれば同じであり，在籍していた学校で無償配布された教科書が転出先の小学校でもそのまま使えることもしばしばです。また，特別な配慮がいる場合でも，転出先の小学校の担任の先生に電話を入れて，子供がより良い学校生活を送るための配慮について教えてもらうこともよくあります。 

しかし，外国につながりのある子どもを海外から受け入れることに関して，特に公立小学校では様々な混乱を招く場合があります。前回お話ししたXちゃんを例にすると，本人もご両親も全く日本語が理解できないため，まずは学校生活について一から説明して，理解してもらう必要がありました。しかも通訳を介しての説明となり，所要時間は２倍近くになりました。また，日本語指導の体制を整えることも大変でしたが，学習内容についても，ニュージーランドと日本のカリキュラムとは全く異なっているため，同じような内容の学習をすると思われる算数でさえ，日本であれば既に学習し終えている内容を習っておらず，どこから手をつければよいか、頭を抱えてしまいました。 

日本生まれで日本育ちの子供であっても，転校はかなりの心理的負担があることが多いのですから，外国からの転入の場合は，さらに子供の心理的負担は大きいでしょう。