かるがく塾

児童養護施設、社会的養護を受ける子どもたちの課題として、学力問題があります。

 

軽井沢学園に限らず全国的な課題なのです。

 

その要因、背景にはネグレクト等虐待の影響や発達的な課題があると言われていますが、そんな学力問題に対応すべく当園でも意図的に勉強の時間を設けています。

 

土日の「お勉強タイム」です。

 

家庭では何気なく「勉強しちゃいなよ～」といえば子どもたちの動きや様子で勉強をしていたり、していなかったりがわかります。

 

学園は大舎制で子どもたち35名ほどいる中、職員は５、６人で見ています。午後の時間になると、職員も入れ替わるため子どもたちの１日の様子を１人がずっと見ていることができません。職員も引き継ぎなどしてはいますが、午前中での出来事、雰囲気、様子は伝わりきらないものがあります。

 

そこで、大人数の子どもたちを把握するにはどうしても時間を決めての”日課”のような体制になってしまいます。

 

宿題や勉強に関して、子ども時代を歩んできた皆様もご存じかと思いますが、「やりたくないな～」「めんどくさいな～」という気持ちがありませんでしたか？学園の子たちもそんな感じです。

 

大人たちも「勉強しなさい」「やらなきゃいけないことでしょ」と指摘するのも、子どもたちの気持ちが沈んでしまうからなるべく言いたくない。わかっているが、やってもらわなければいけない・・・。

 

さて、どうするか。

 

子どもたちに勉強する抵抗感をもって欲しくないな。

そこで、学園の学力向上委員会の職員から「”かるがく塾”作りませんか？」との発案がありました！

 

「かるがく塾」というものは、宿題のほかに”自分から取り組める勉強”をコンセプトに始まりました。

 

内容は、子どもたちそれぞれの学年に合わせるのではなく、子ども一人ひとりのレベルに合わせたものを用意します。テストがあるので、それが全問正解になると”かるがく通貨”に両替ができます。

両替した”かるがく通貨”で、それぞれお金を貯めて、お菓子やおもちゃなどを購入できるようなシステムを考案しました。

 

 

そのシステムを作った途端「早く宿題終わらせて、かるがく塾の勉強する！」「できた！もう１０００円貯まったよ！」「今日は、水鉄砲買ったよ！大事にする！」

 

かるがく塾は”勉強が楽しく出来たらいいな～”という職員の願いから始まりましたが、お買い物の経験もできるシステムにもなりました。自分で選んだものはとても大事に使ってくれます。選択する経験はとても大事です。

 

 

職員も試行錯誤して、システムをアップデートし、子どもたちに提供しています。

 

この場を借り、職員の頑張りも皆さんに自慢しちゃいます。