学校が再開したら、やりたいこと

 

10月に子どもたちに実施した緊急アンケート（＊）では、「学校が再開したらやりたいこと」も質問しています。

 

（＊）「コロナ禍でどのような1日を過ごしているのか」や「今抱えている問題」についての電話調査を実施。KnKの先生が、1軒ずつ電話をかけ、親御さんに趣旨を説明し、子どもたちから話を聞きました。

 

これまで私たちは公立学校の時間割の中で、音楽、演劇、作文、キャリア教育を実施してきましたが、特に男子シフトの子どもたちにとっては、「楽しくて安心できる時間」と認識されていることもまた、アンケートの結果からわかってきました。

 

演劇用のカツラや衣装がもっとほしい、とか、以前キャンプを訪問してくださったマジシャンの方に、もう一度キャンプへ来て手品を見せてほしい、など学校が開いていた時の思い出が蘇る子たちも少なくなかったようです。

 

また、今まで通りの授業もさることながら、補習授業も受けたい、と返答している子がいるのが印象的でした。普段は、勉強に熱心な子がそこまで多くはないキャンプですが、この状況で勉強になかなかついていけず、その焦りを実感しているのだな、と思いました。

 

男子シフトでは、基礎的なアラビア語の補習授業を実施してほしい、と学校側からの要望が来ています。アラビア語の学力が低いため、他教科の内容もよく理解できない子どもたちが多い実情があります。アラビア語は口語と文語が異なるため、日常的に使う言葉は文章中には使われないことも多く、文語用の単語の語彙が少ないと、教科書に書かれている正則アラビア語の言葉がわからない、という事態に陥ります。

 

各自自宅で学習するしかないオンラインの授業では、学校の教室のように、わからないところをコソコソと隣の子に聞いたり、すぐに先生に質問したりすることができません。徐々にわからないことが増えていって、気がついたときにはさっぱりわからなくなっている、というケースも少なくないようです。

 

私たちのメッセージやオンラインでの授業では、情操教育やキャリア教育の中にもアラビア語の基礎学力をあげられるような工夫がなされています。音楽の歌詞の書き取りや、文章の校正、また、先生たちからのビデオメッセージは分かりやすい正則アラビア語を使うようにしています。

理科や数学は、もう見るのも嫌だ、と勉強自体に拒否反応を持ってしまっている子たちにも、親しみやすい内容を作るよう、心がけています。

 

クラスメートと顔を突き合わせてのグループ学習も、今は実現が難しい状況です。