もう二度と見ることが出来ない景色

皆さま、こんばんは。目標金額を大幅に達成、多くの皆様のご支援に支えられております。本当にありがとうございます！

皆さまに、リターンのお品を贈ることを考えて、うきうきな一日でございました。心から、感謝の気持ちを込めて、お送りいたします。

 

 

ネクストゴールの設定については、また後日お知らせさせてくださいませ！

 

さて、先日記事をアップしたところ、「セールスマンが来たあたりのところ、もっと知りたい」とのお声を頂きましたので、すこし深堀りをしてお話しをします。

 

引き戸がガラガラと音を立てて開く音、そしておめでとうございます！という大きな声。

なぜおめでとう、と言われるのか、いったい何がめでたいのか。

もらった冊子には「老後計画までサポートします」という丸いフォントが踊っていました。

私は、なにかもやもやと、言葉にできない感情を抱いていました。

 

隣家は料理屋さんで、女将さんとはなにかと世間話をする仲でした。

「あんな暑い格好でセールスに回るなんて、大変ですよねえ。

いやあ、家なんて、そんな簡単に売らはる人いはるんでしょうかね」などと、私はそんな意味合いのことを伝えていたと思います。

 

 

 

 

 

 

 

後から聞いたことですが、女将さんは、周囲の人に「私が完全に引っ越すまで、絶対に大西さんには、うちがマンションになることを伝えないでね」と言っておられたそうです。

 

最後は挨拶すら、出来ませんでした。

気付けば、もう、彼女たちの姿はどこにもありませんでした。

 

私はなんて酷な事を言ってしまったんだろう、どうして可能性を考えて会話することができなかったんだろう、と今でも後悔をしています。

 

 

 

きっと、「残したくても残せなかった」理由があったのだと思います。

隣の家にあった、桜の木。離れの二階から、桜の木を眺めるのが大好きでした。料理屋さんのにぎわいの灯、風に揺れる桜花。

散るころにはまた来年も綺麗に咲いてね、と心から願っていました。

 

 

最後に残った写真は、じっと寒さに耐える桜の木だけでした。

頑張って命を膨らませていたのに、もう次の春は来なかったね。

 

本当に美しかった、もう二度とみることが出来ない景色。