人類発祥の地南アフリカで人類の起源を明らかにする講演をしたい
人類発祥の地南アフリカで人類の起源を明らかにする講演をしたい

支援総額

595,000

目標金額 470,000円

支援者
48人
募集終了日
2024年2月14日

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2024年01月21日 12:55

南アフリカの人類学が今も忘れられている

今朝、借りている家の大家さんが、封筒にお金を包んで訪ねてくださった。
「全財産をつぎこんでるって書いてあったけど、大丈夫なの?」と直接持参してくださったのだ。

(家賃は滞りなく入金しています)
「壮大なお話ですね。応援してますよ。」と力強いお言葉を頂きました。

こうして対面で直に応援してもらえると、これまた格別に嬉しかった。

大家さん、いつもありがとうございます!!!



大家さんとのおしゃべりの際、東アフリカの化石人類のことが話題になったので、活動報告として書き残しておく。

  

南アフリカで、1924年にアウストラロピテクスの化石が発見された事実を、世界の科学者は長い間、認めなかった。

というのも、その化石はサルであり、現生(言語的)人類に結びつかないと思われていたのだ。

事実を認めないというのは、おかしな話だが、自分が思っていたことと違うから認めたくなかった人もいたようだ。調べればいいのに、南アフリカまで化石を見に行くことは面倒だったのか。よく調べもせずに、反対意見をいう人がいたのだ。

ダートの発見を支持して、南アフリカで別のアウストラロピテクスの化石を探したのが、イギリス人古生物学者のロバート・ブルームだ。



ブルームは、スタークフォンテン洞窟で、別のアウストラロピテクスの化石を発掘。
その詳しい分析結果を、トランスヴァール博物館の紀要として1950年に出版している。

 

 

当時、化石が見つかるごとに、新しい種として名前をつけていた悪しき習慣があり、プレシアントロプスとあるけど、これはアウストラロピテクスの化石だ。

そうこうしているうちに、タンザニアで、ルイス・リーキーが、1959年8月15日のNatureに、自分の妻(2番目の)がジンジャントロプス・ボイセイの化石を発見したという記事を発表する。

 

 

「私の妻が化石人類の頭蓋を発見した」という記事も、なんだかおかしな気もするが、それよりもこの化石は、現生人類につながらない。ゴリラやアボリジニ、どこで発見されたかわからないアウストラロピテクスの頭蓋骨と比較しているが、顔の骨格や歯の形など、ダートやブルームのような詳細な解析はない。

 

そして、この翌年1960年3月21日。南アフリカで、警察が警察署の周りにいた黒人大衆に対して唐突に発砲して69人死亡、200人近い重軽傷者をだす「シャープビル事件」がおきる。

 

南アフリカ連邦は、非常事態宣言を出して、世界から孤立化する。

これとほぼ同時に、対南アフリカ国際学術ボイコットというものが始まり、

 

南アフリカの研究者は海外の学会に参加できなくなり、
海外の学術雑誌に寄稿できなくなった。
また、海外の研究者は、南アの学会に参加できなくなり、
南アの学術雑誌に寄稿できなくなった。

アパルトヘイトを口実とした、南アの徹底的な隔離が始まった。


ちなみに、上のトランスヴァール博物館紀要の共著者のジョン・ロビンソン(当時南アフリカ考古学協会会長)は、1960年代半ばに、アメリカのウィスコンシン大学マディソン校に招かれて、南アフリカを去る。南アから人類学の研究者がいなくなった。

 

一方、日本の人類学者や考古学者は、南アフリカの人類学・考古学について、まったくといっていいほど、学ぶ機会を失った。そして、現場をタンザニアやエチオピアという東アフリカに求めることとなり、人類の起源から遠ざかってしまったのだ。

  

  

1994年に、南アフリカで全人種選挙が行われ、ネルソン・マンデラを大統領とする黒人政権が生まれ、国際学術ボイコットはなくなり、研究者が自由に南アフリカへ渡航できるようになった。
結果として、30年以上の決定的な南アフリカ潰しとなったと言える。

 

日本の地質学者は、この機会に、大規模な南ア巡検を企画し、大量の鉱石を持ちかえった。

https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/94_07_10.pdf

 

「地質学者の天国」・・・
人類学、考古学者にとっても南アは天国と言えるが、

研究資金が乏しく、鉱山会社のようなスポンサーとなる企業との付き合いもない日本の人類学者や考古学者は、このせっかくのチャンスに、南ア巡検を実施した形跡がない。


30年以上、自分の先生が東アフリカで人類の起源を探していて、自分も東アフリカしか行ったことがなかったら、アパルトヘイトが終わったからといって、南アフリカの人類学・考古学を勉強して歴史の欠損を埋め合わせようという発想が生まれないのかもしれない。


こうして、日本をはじめとして世界の人類学者の多くは、
南アフリカの化石人類が現生人類に結びついていることを忘れたままでいる。


リターン

5,000+システム利用料


お気持ち応援コース

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お礼状(PDF形式でメールで送付)

申込数
25
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年12月

10,000+システム利用料


現地講演仮想聴講コース

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現地で行った講演資料(PDF形式でメールで送付)
※英語の論文です

申込数
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