目指すは共存できる未来|アフリカマナティー保全プロジェクト
目指すは共存できる未来|アフリカマナティー保全プロジェクト 2枚目
目指すは共存できる未来|アフリカマナティー保全プロジェクト
目指すは共存できる未来|アフリカマナティー保全プロジェクト 2枚目

支援総額

2,182,000

目標金額 1,700,000円

支援者
182人
募集終了日
2023年10月22日

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2023年09月30日 07:30

外来種の浮草をどう駆除する?

マナティー研究所は、NGO団体AMMCOと協力して、カメルーンに暮らす絶滅危惧種マナティーの保全活動と環境教育をおこなっています。

2回目のクラウドファンディングで目指すのは、カメルーンのオッサ湖を覆い尽くしている外来種の浮草・オオサンショウモの駆除です。

 

このページでは、私たちが計画している駆除方法について、ご紹介します。

 

 

オオサンショウモ(Salvinia molesta)は、日本でも生態系被害防止外来種リストに載っています。

その中で、重点対策外来種に指定されています。

重点対策外来種:甚大な被害が予想されるため、対策の必要性が高いことを示す

 

オオサンショウモ

 

アフリカの各国やアメリカでも、オオサンショウモは侵略的な外来種として問題になっています。そして、日本でもすでに小笠原・南西諸島への定着がみられているとのことでした。

 

日本には、オオサンショウモの近縁種として在来種のサンショウモ(S. natansがあります。こちらは、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているんです。

 

もしもオオサンショウモが増殖すると、日本のサンショウモとの競合や遺伝的撹乱(ハイブリッド)が起こる可能性があるので、オオサンショウモは注意しなくてはいけない外来種となっています(生態系被害防止外来種リストの「植物」を参照)。

 

 

いつ侵入したか不明

オッサ湖で最初にオオサンショウモが確認されたのはいつなのか、わかっていません!

 

AMMCOの調査によれば、2015年にオオサンショウモを確認しています。しかし、その数は少なくて、湖で目立たない存在でした。

 

2016年からオオサンショウモの数が増え始め、2017年には湖の上を覆ってしまいました。たった1年で起きた変化に、地域の人たちはとても驚いたと聞いています。

 

そして2020年には、オオサンショウモがオッサ湖の50%以上を覆ってしまいました。

 

一体どうやって湖に侵入したのか?その原因はわかっていません。

 

ボートの周囲すべてがオオサンショウモ

 

 

失われる生物のすみか

カメルーンを流れるサナガ川沿いには、たくさんの湖があります。オッサ湖は一番大きな湖で、39.27平方キロメートルです。

 

オッサ湖には、アフリカマナティーの他にも、dwarf crocodile、African softshell turtle、36種類の魚が確認されていて、たくさんの生きものたちのすみかとなっています。

 

マナティーの食べる植物もたくさん生えていて、食べ跡もみられました。

 

水面近くの葉をマナティーが食べたので、茶色い茎が見えている

 

 

けれども、オオサンショウモが湖を覆い尽くしたことで、水中に太陽の光が届かなくなります。

 

植物プランクトン等による光合成が妨げられて、水中酸素が減り、生きものたちが暮らせなくなる危険があります。そして、プランクトンやそれらを食べる魚の数も減ってしまうなど、このままでは生きものたちのすみかが悪化してしまうでしょう。

 

そして、マナティーのえさ植物がオオサンショウモと競合して、枯れている様子が確認されました。

競合:在来種とエサやすみかの奪い合いをして、追いやってしまうこと

 

また、浮草のせいで湖にボートを出せなくなって、漁師さんたちが漁業をできなくなってしまいました。これでは生活していくことができません。

 

オオサンショウモの増殖は、湖の生きものだけでなく、地域の人たちの生活を苦しめています。

 

 

駆除する方法はあるのか

 

増殖した外来種を駆除するのはとても難しい…

 

ニュースなどでこうした問題を目にする機会もあると思います。今回のような浮草の駆除も、非常に難しいのが現状です。

 

どうすればいいのか、正解がない問題です。試行錯誤して解決を目指すしかありません。

 

国土交通省が、外来植物の駆除対策の手引きを紹介しています。その内容を引用しながら、カメルーンでの対策、挑戦について紹介します。

 

アマゾンマナティーはウォーターレタスが好物

 

南米のアマゾンマナティーのえさ植物であるウォーターレタスやホテイアオイは、日本でそれぞれ特定外来生物重点対策外来種に指定されています(生態系被害防止外来種リスト参照)。河川、水路、ため池などで増殖して、問題となっています。

 

日本では、どうやって駆除しているのでしょうか?

 

 

人力で駆除

 

日本では、網やタモなどを使って人力で浮草を駆除しています。この方法は、浮草の増殖を食い止める早い解決方法です。カメルーンでも、漁師さんたちの協力を得て、人力での浮草回収を続けています。

 

でも、根本的な解決にはなりません。例えば、ちぎれた植物から再生するので、少しでも根っこなどが残っていれば、すぐ増殖してしまいます。

 

そして、日本と比べて設備や機材が不足しているカメルーンでは、オオサンショウモが増殖したエリアに入れるような、機能的なボートを持っていません。オオサンショウモが密集しすぎた地域の駆除ができない状況です。

 

また、カメルーンでの人力での駆除は、コストがかかることも問題です。

例えば、大量に回収した浮草の処理にはお金がかかるし、人力での駆除には人件費もかかります。

 

湖に大量に増殖している浮草をバケツですくって、ボートに乗せて陸に運んで… それをひたすら繰り返すのは大変な重労働です。ボランティア参加ももちろんありますが、それだけでは駆除を継続できません。

 

漁師による駆除の様子 ©︎AMMCO

 

そこで、カメルーンでは、回収した浮草を木炭化して、それを街に売って、漁師さんたちの生計の足しにしています。こうして、漁業ができなくなった漁師さんたちの協力を得ています。

 

さらに、人力での駆除の問題点は、その地域の在来種や絶滅危惧種の植物も一緒に回収してしまう危険性がある、というところです。カメルーンではこの問題を懸念していて、人力での駆除は推奨されていません。けれども、このままではどうにもならない、ということで、部分的な浮草駆除を続けています。

 

 

重機での駆除

日本では油圧ショベルなどの重機を使って、浮草の駆除をしています。人力と比べて一気に浮草を駆除することができます。

 

しかし、カメルーンではコストがかかりすぎるので、重機での駆除は現実的ではありません。また、湖の周辺地域では、重機のレンタルやメンテナンスなどを行う会社がない、ということでした。

 

 

除草剤での駆除

外来種の植物(陸上)では、広範囲の駆除のために除草剤を使う場合もあります。もちろん、周囲に十分注意したうえで行われます。

 

けれども、水生植物では除草剤を使うのは難しいことです。水域の生きものたちを化学物質に晒すことになります。特にカメルーンでは、人力の駆除でも在来種や希少種の回収が心配されているのです。

 

また、オオサンショウモは世界中で問題を起こしていますが、これまでに除草剤だけで駆除できた事例がありません。さらに、除草剤の散布は、重機を使うよりもコストがかかると見積もられています。

 

 

昆虫をつかった駆除

その外来種を食べる昆虫や動物、病原菌をつかう駆除方法があります。これを「生物による駆除」といいます。

 

外来種の駆除のためにまいた昆虫が問題を起こさない?

 

日本ではこれまでに、外来種の駆除のためにその天敵を導入して、大きな失敗を繰り返してきました。

 

例えば、沖縄や奄美大島では、ハブやネズミの駆除を目的としてマングースが導入されました。けれども、駆除の効果はなく、さらに、マングースが希少な野生生物を食べてしまい、それらが絶滅の危機に瀕する問題が起きました。さらに、増えたマングースの駆除には高いコストと長い年月がかかっています。

 

けれども、生物による駆除が成功している例もあるんです。

 

アメリカアフリカ地域で、昆虫を使ったオオサンショウモの駆除に成功しています。その昆虫が、Salvinia Weevilです。ゾウムシの一種で、成虫の大きさが2ミリ程度の小さな昆虫です。

 

昆虫を使った駆除は、他の方法と比べてコストがかからず、水質汚染の心配がなく、浮草が繁茂してボートで入れないエリアの駆除も可能になります。

 

©️AMMCO

 

もちろん、導入の前に試験区画での実験や経過観察などの準備が必要です。海外から昆虫を輸入、繁殖させるので、国の許可や専門家の協力も得なくてはいけません。

 

AMMCOは、オオサンショウモの駆除を行ったアメリカ、アフリカの研究機関や、カメルーンの環境局などと協力して、試験的な昆虫の導入を目指しています。

 

 

外来種問題を起こさないために

 

侵入、増殖した外来種の浮草に対しては、正解の解決策はありません。いろいろな方法を組み合わせて、また、その地域で実現可能な方法を探していかなくてはいけません。

 

私たちが今回のクラウドファンディングで行う外来種の駆除は、主に人力での駆除と昆虫による駆除の2つです。

その他にも、浮草の駆除のために必要だと考えられることがあれば、積極的に取り入れて、解決を目指していきます。

 

なぜオオサンショウモは爆発的に増殖したのか?

 

増殖した理由を探るため、水質調査を行なっています。

おそらく、近隣の畑などで使われている肥料などの影響ではないか、と考えています。長期的な外来種問題の解決には、湖の水質を改善することも必要かもしれません。

 

 

 

ドローンをつかった浮草分布の調査(©️AMMCO)

 

 

このような外来種の問題が起きないように、予防することが何よりも重要です!

 

外来種被害予防三原則 

 

入れない、捨てない、ひろげない

 

 

このプロジェクトを通じて、外来種やその問題、駆除について、皆さんに知っていただく機会にできればと思います。

リターン

3,000+システム利用料


リターンご不要な方へ/応援コース(3,000円)

リターンご不要な方へ/応援コース(3,000円)

グッズ等をお届けしない分、いただくご支援をできるだけ多く現地での活動や環境教育の実施のために大切に使わせていただくコースです。

・お礼のメール
・公式HPにお名前掲載 ※希望者のみ

申込数
19
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年3月

5,000+システム利用料


マナティーと一緒コース

マナティーと一緒コース

繁田穂波(水棲生物画家)氏によるオリジナルイラストをつかったグッズです。

・繁田穂波デザインのステッカー
・繁田穂波デザインのポストカード

カメルーン在住のイラストレーター(Annick MHT)によるイラストをつかった
・オリジナルデザインのデスクトップ画像

- - - こちらもお届け - - -

・お礼のメール
・公式HPにお名前掲載 ※希望者のみ

申込数
6
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年3月

3,000+システム利用料


リターンご不要な方へ/応援コース(3,000円)

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5,000+システム利用料


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制限なし
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2025年3月
1 ~ 1/ 31


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