中京大学現代社会学部 亀井哲也教授からの応援メッセージ

南アフリカのンデベレ社会の壁絵をはじめとして、世界各地の民族の「アート」 を調査している中京大学の亀井哲也です。

今、民博が新しいトーテムポールをカナダで作っています。クワクワカワクゥの彫刻家たちがヒノキ (レッドシダー)の巨木に刃を入れ、様々なストーリーをもった動物たちを刻み上げている様子が目に浮かびます。そのイメージとともに、ヒノキの芳しい香りも漂ってくるような気がします。

2009年10月クワクワカワクゥの地で、トーテムポールの保存方法についての研究会に参加しました。先人の作ったトーテムポールや新たに作るトーテムポールを、どれだけ長生きできるものにするか。クワクワカワクゥの人たちやミュージアム関係者が真剣に意見を出し合っている姿が印象的でした。

いまある文化財を物理的に保護することの重要性が語られると同時に、そうした文化財を作り出す技術や知識も保護されねばならないと議論されていました。技術や知識、すなわち文化の継承をサポートすることもミュージアムの重要な役目です。

トーテムポール作りの機会をつくることは、文化継承の機会をつくることです。今回の民博のクラウドファンディングに参加することで、クワクワカワクゥの文化の継承に少しでも貢献できることを嬉しく思います。春になって新しいトーテムポールの立ち上げ祝典に立ち会えることを楽しみにしています。

国立民族学博物館の皆さん、ラストスパートです。頑張ってください。