”根源的な転換の中にいる” 文化人類学者の辻信一さんの言葉

”今、ぼくたちは「革命」と呼ばれるにふさわしい根源的な転換の中にいる。「おだやか」というのも、それをとったら、後にはもう何も残らない、革命がもう革命ではなくなる、というような、本質的な「おだやかさ」のこと。「平和への道はない、平和が道なのだ」と、ガンディーは言った。同様に、「おだやかな革命」への道があるのではなく、「おだやかな革命」こそが道なのだ。その道をぼくも歩いていきたい。”

 

辻信一 教授 プロフィール

文化人類学者。環境活動家。明治学院大学国際学部教授。ナマケモノ倶楽部世話人。「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表。「スローライフ」や「GNH」というコンセプトを軸に、環境=文化運動を進める一方、スロービジネスにも積極的に取り組んでいる。3・11をきっかけに「ゆっくり小学校(スロー・スモール・スクール)」を立ち上げ、学びの場を通してつながりを取り戻す活動をすすめている。

よみがえりのレシピの上映をきっかけに、辻先生とお会いして以来、辻先生が語る言葉を噛みしめるように、聞き、本を読んできました。その辻先生が、今回の映画の取材地の石徹白に何度か訪れていることを知りインタビューを収録してきました。

 

「ローカルに生きる」ということは、自然とのつながり、コミュニティとのつながり、先人とのつながりを取り戻していくことになり、とてもホリスティック、つまり全体的に物事を捉える、しなやかな知性が生まれているのだそうです。映画に登場する「石徹白洋品店」のような、地域の文化を新しく創造していく文化創造者、カルチャークリエイティブについても語っていただきました。そのような各地で広がっているローカライゼーションの動きは、日本だけでなく、世界中のローカルな場所で生まれているのだそうです。そして混迷を深めている時代を、希望ある時代に導いていくのは、このローカライゼーションの動きなのだと熱く語っていただきました。

 

 

持続可能な地域を目指す場所には、仕事や暮らしを自らの手で作りたいという志を持った若者が集まり、地域の文化や資源を活かした多彩な仕事が生まれています。そして移住者によって子供が増え、学校が存続、人口減少が横ばいになっています。地域の資源を活用することで生まれる「幸せな地域経済」がもたらす豊かさは、拡大と成長を求め続けてきた社会における豊かさとは違います。

 

 

経済成長を追い求め、生き急いできた社会が見失った大切なもの、人や自然、コミュニティとの関係性を時間をかけて取り戻していく、あるいは創造していく時代なのだと思います。都市で暮らしていても、田舎で暮らしていても、そのようつながりを求める動きは加速していことでしょう。映画「おだやかな革命」の上映を通して、これからの時代を希望ある転換期に楽しく変えていけることを願って、映画の仕上げのラストスパートを走り切りたいと思います。まだまだ製作資金が足りておりません！ 現在、映画「おだやかな革命」の制作のため、宣伝のため支援金を募っています。ぜひ、ご協力とご理解をよろしくお願いいたします！

https://readyfor.jp/projects/odayaka-kakumei

 

最後になりますが、石徹白で始まっている新しい学びの場、いとしろカレッジが今年も開催されます。辻先生も講師で5/13に、石徹白で基調講演をします。どなたでも参加できます。ぜひこちらも、ご覧ください。

https://www.facebook.com/itoshirocollege